症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/11/05 (金)

うつ症状

漢方的な原因
漢方では「凡そ病は、鬱によりておこること多し」といわれ、精神的な要素で起こる疾患は非常に多いと考えられています。とくに漢方では「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」を七情といって、体に大きな影響を与える感情として重要視しています。
「鬱」とは滞っている、鬱結している状態を表しますが、一番多く現れるのは気の滞り「気鬱」です。気は体のあらゆる機能を働かせるエネルギーでもあり、血や津液(水分)を巡らせる働きもしています。気鬱が起こると他も滞り、全身にあらゆる症状を引き起こします。
肝気鬱結
漢方では、全身への気血の巡りを調節したり、血を貯蔵している働きを「肝」といいます。
「肝」は樹木のようにのびのびと上へ拡がる状態を好みますが、憂鬱や怒り、ストレスなどの精神的刺激により硬くなり、たちまち気血の巡りが停滞し、貯蔵している血を消耗してしまいます。肝の気が滞り「気鬱」が生じると、連鎖的に血や水分(痰湿)も停滞したり、停滞した箇所から熱(炎症)が発生したりします。また肝の調節によって「脾(胃腸)」の消化・吸収や全身へ気・血・津液を運ぶ働きが行われているので、脾の働きが乱れることにも繋がります。
主な症状
□ 憂鬱・情緒不安定・ため息
□ 胸脇の脹痛(張ったような痛みや不快感)
□ 食欲不振・お腹の張り
□ 口が苦い、口渇
□ 頭痛
□ 生理不順
など
代表的な漢方薬
逍遙散、加味逍遙散、四逆散、半夏厚朴湯、柴朴湯、竹茹温胆湯など
心脾両虚
「肝気鬱結」の状態が長期化すると、他の臓腑にも影響を及ぼします。特に顕著なのが「心」と「脾」への影響です。
「肝気鬱結」により肝が貯蔵している血が消耗されると、全身へ血を送る「心」の血も不足します。「心」は精神・意識を正常に働かせる機能も担っているので、不安感や不眠、夢をよく見る、動悸、物忘れ、めまいなどが現れます。
肝の気は「脾(胃腸)」を正常に働かせる役割もあるので、「脾」の不調が食欲不振や倦怠感として現れるようになります。
主な症状
□ 動悸
□ 不安感
□ 不眠・夢を多く見る
□ 物忘れ
□ めまい
□ 顔色が白い
□ 倦怠感、食欲不振
など
代表的な漢方薬
甘麦大棗湯、酸棗仁湯、帰脾湯、加味帰脾湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、柴胡加竜骨牡蠣湯など
『うつ症状』を根本から改善するには、漢方薬を
漢方みず堂では、“うつ症状”でお悩みの方からご相談いただくことも多いです。
症状が出る原因として考えられるのは、
「学校で嫌なことがあって、不登校気味になった」
「引っ越しをして、慣れない環境に身を置いた」
「仕事の忙しさから、常にストレスを感じている」
「仲が良かったお母様・お父様が、亡くなった」
など年齢・性別を問わず本当に様々で、抗うつ剤を服用されていてもスッキリとしない状態が続く方もいらっしゃいます。

『意欲が全くわかない・いつも落ち込んでしまう・胃にキリキリとした痛みを感じる・動悸がする・眠れない』などの症状も、漢方薬を続けていただいたことで症状が改善され、やる気が出た、気持ちが明るくなったと、たくさんのお喜びの声をいただいております。

まずはお気持ちや症状を伺いながら、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に合った処方を選んでいきます。
また体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。

ご自身やご家族だけで悩まれている方は、きっと誰にも話せず辛いお気持ちを抱えていらっしゃることと思います。
その胸の内を、私たちにお話しいただければと思います。より良い方向に進んでいけるよう、一緒に考えさせていただきます。