症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/11/19 (金)

生理周期が短い!頻発月経の漢方

月に2度も生理があると煩わしいというのもありますが、それだけ生理の回数が多くなり、貧血や子宮内膜症、子宮筋腫などの悪化要因にもなります。
漢方は体質を改善し、自分自身の体の機能を最大限に引き出して自然に生理が来るようにしてくれるものです。
女性ホルモンは大変複雑なメカニズムなので、不足しているものを補えばいいという単純なものではありません。
一時的にホルモン剤の力を借りることはあったとしても、自分自身に備わっている本来の生命力を高めることが根本的な解決につながります。

 

あなたはどのタイプ?症状チェック

 胃腸虚弱タイプ熱が盛んなタイプストレスタイプ体の消耗タイプ
原因胃腸虚弱暑がり

辛いものが好き

ストレス

怒りっぽい

加齢

慢性疾患

出血

症状経血量が多い
色は淡い
□経血の質は清んで希薄
□疲れやすい
□身体が重だるい
□食が細い
□軟便
経血量が多い
色は深赤色または紫色
□顔が赤い
□口が乾きやすい
□小便が黄色
□便秘がちで乾燥している
経血量が不安定
□色は紫~紅色
血塊が混じる
□下腹部が張って痛い
経血量は少ない時も、多い時もある
□色は紅色でドロっとしている
□両頬が紅い
□手足がほてりやすい(特に夜間)
代表処方六君子湯
補中益気湯
帰脾湯
竜胆瀉肝湯
滋陰至宝湯
加味逍遙散知柏地黄丸
清心蓮子飲

 

胃腸虚弱タイプ

経血量が多く、色は淡い
□経血の質は清んで希薄
□疲れやすい
□身体が重だるい
□食が細い
□軟便

胃腸が弱いもしくは胃腸が弱るような生活になっている方に多いタイプです。
胃腸では飲食物から体のエネルギーである「気」や栄養分である「血」を作っています。
したがって、胃腸が弱ると「気」や「血」が不足します。

 

また、気は以下の5つの働きをもっています。

◎気の働き
①推動(すいどう)作用・・血液循環や新陳代謝を促す
②防御(ぼうぎょ)作用・・外から体に悪いものが入ってくるのを防ぐ
③固摂(こせつ)作用・・・汗・血・尿などが漏れ出るのを防ぐ
④温煦(おんく)作用・・・体を温める作用
⑤気化(きか)作用・・・・血・水の生成や代謝、尿や汗などの生成や代謝をコントロールする

 

気が不足すると、
③固摂(こせつ)作用が低下し、漏れ出る症状が出るため、経血量が多く、水分もとどめておけないため、軟便となります。
⑤気化(きか)作用が低下し、血液が足りなくなり、色は淡く、希薄になります。
また気の不足によりエネルギーが不足するため、疲れやすく身体が重くなります。

 

胃腸虚弱タイプの改善例

【お客様背景】

✔︎35歳女性

✔︎中学生からの貧血

常にふらっとした立ちくらみを感じていて、健康診断ではたいてい数値が引っかかる。鉄剤を処方され飲んでいる時は良いのだが、数値が良くなり止めるとまたふらつきが出てくる。食事も気をつけているが改善は見られず、この状態がもう当たり前と思っていた。

✔︎すぐ疲れて夕方はかなりきつい

✔︎やる気がでない

✔︎体調が悪い時は動悸がする

✔︎胃腸が弱い

✔︎生理周期が25〜26日

 

【漢方的解説】

胃腸が弱いことから「気」と「血」が不足して様々な症状が出ている状態

 ①体全体のエネルギーの「気」が不足=疲れる、きつい、やる気が出ない

 ②体の栄養分である「血」が不足=貧血、動悸、生理周期が25〜26日と早め

したがって、まずは胃腸を整え、「気」と「血」を補う漢方薬で体質改善をスタートしていただきました。

 

【経過】

1か月後、例年季節の変わり目は調子が悪い日が多いのが、それが少なかった。また普段25,26日の生理周期が、28日だった。少しずつ胃腸が元気になり血が取り込まれているのを感じました。

2か月後、いままで業務を何個かこなすと疲れていたのが、ずっと続けられる。夜まで元気で少し怖かった。中学からの症状が改善され、体も本人も驚かれたのかなと思います。

3か月後、夜はもう大丈夫、日中大変動きやすい。やりたい事ができてとても嬉しい。

今までの当たり前が覆ったようで大変喜ばれています。この先まだまだ長い人生楽しんでいただきたいです。

 

胃腸虚弱タイプの漢方薬

おりものが多い

アレルギー体質

むくみ・吐き気

六君子湯

(りっくんしとう)

朝起きられない

脱肛・胃下垂・子宮脱などがある

補中益気湯

(ほちゅうえっきとう)

貧血

下痢

不正出血、生理出血がだらだら続く

帰脾湯

(きひとう)

 

胃腸虚弱タイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
○お腹を温めるもの、消化しやすく栄養になるもの
黒米、もち米、山芋、生姜、かぼちゃ、蕪、ほうれん草、白菜、鯛、鮭、鶏肉、舞茸、うずら卵、林檎、ハチミツ、味噌
⚪︎薬膳食材
高麗人参、山薬(やまいも)、大棗(なつめ)、金針菜、蓮の実、艾葉(よもぎ)

【避けた方が良い食べ物】
生もの、油もの、乳製品、甘いもの、冷たいもの、過剰の水分

【生活面】
寝る前最低4時間は食べない

熱が盛んなタイプ

経血量が多い

□色は淡い

□経血の質は清んで希薄

□疲れやすい

□身体が重だるい

□食が細い

□軟便

 

過剰な熱で身体の血液や体液が飛んでしまいやすく、暑がりなかたや、辛いものが大好きな方に多いタイプです。

過剰な熱を取り除きながら、乾かし過ぎないことが大切です。

 

熱が盛んなタイプの漢方薬

 

体力あり

おりものが黄色で匂いがある

膀胱炎や膣カンジダになりやすい

竜胆瀉肝湯

(りゅうたんしゃかんとう)

体力がない

ストレスがある

憂鬱感

寝汗

滋陰至宝湯

(じいんしほうとう)

 

熱が盛んなタイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
○苦いもの、生野菜
ナス、ゴーヤ、ふき、ピーマン、チンゲン菜、すいか、青汁、コーヒー、緑茶

【避けた方が良い食べ物】
肉、油もの、香辛料、お菓子

ストレスタイプ

経血量が不安定

□色は紫~紅色

□血塊が混じる

□下腹部が張って痛い

 

ストレスを感じると、イライラしやすかったり怒りっぽくなったりするタイプです。その状態が長期的になると、身体に過度な熱を発生させ月経を早めます。

気持ちの状態に波があるように、経血量も多かったり少なかったりと不安定になります。張った感じの痛みや血塊も特徴的です。

漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうようさん)を使用します。

 

ストレスタイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
○酸味、苦味、香りがよいもの
黒酢、レモン、グレープフルーツ、キウイ、苺、梅、春菊、チンゲン菜、パセリ、セロリ、せり、そば、トマト、ピーマン、ごぼう、ビール

【避けた方が良い食べ物】
肉、油もの、香辛料、お菓子

【生活面】
ストレスには呼吸法がとても効果的です。
腹式呼吸を意識しましょう。特に息をゆっくり吐くことを意識しましょう。

体の消耗タイプ

経血量は少ない時も、多い時もある

□色は紅色でドロっとしている

□両頬が紅い

□手足がほてりやすい(特に夜間)

 

加齢、慢性疾患、出血などにより身体を潤す成分が少なくなることで、相対的に身体の熱が冷めにくくなります。頬が紅い、夜間のほてり、寝汗などは消耗から起きる熱症状です。

漢方薬は、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)清心蓮子飲(せいしんれんしいん)など身体を潤すことに重点を置きます。

体の消耗タイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
○渋味、粘りのあるもの、黒いもの、種子類
栗、くるみ、胡麻、黒豆、なた豆、さつま芋、山芋、モロヘイヤ、よもぎ、生卵、豚足、エビ、イカ、海藻、ブルーベリー、醤油、味噌
⚪︎薬膳食材
枸杞子、銀杏、松の実、黒胡麻、ユリネ、丁子(クローブ)

【避けた方が良い食べ物】
甘いもの、乳製品、利尿作用が強いもの、過剰のタンパク質

【生活面】
汗をかきすぎない(サウナ、ホットヨガは避けましょう)