漢方みず堂ブログ

眠りが浅い時に飲む漢方〜疲れすぎて眠れない〜

眠りが浅い時に飲む漢方〜疲れすぎて眠れない〜

眠りが浅いタイプの不眠

ちょっとした物音で目が覚めたり、ちょこちょこ目が覚めて、なかなか疲れが取れない。
心身の消耗が激しいと、ぐっすり眠ることができなくなります。
特に、胃腸が関係する場合と、「肝」が座っていない性格の方は心身の消耗が起きやすく、ぐっすり眠る力がなくなってしまいます。

胃腸が弱くて深く眠る力が不足する

胃腸が弱くて眠れないことなんてあるの〜?と思われるかもしれませんが、あるんです!
胃腸は食べ物から栄養を取り込む役割。
胃腸の力が弱く、精神活動を担う「心」に必要な栄養が届けられなかったり、心配事などで「心」の栄養の消耗が激しいと、精神活動が不安定になり、ぐっすり休まることができなくなります。
眠りが浅い他、
不安感、元気がない、貧血、食欲がない、夢が多い、ヒステリックになる
といった症状が出やすくなります。

おすすめの漢方は、帰脾湯(きひとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)など

食材としては、胃腸を整え、精神的に安定させるものがおすすめです。
米・山芋・じゃがいも・南瓜・キャベツ・人参・ほうれん草・小松菜・鶏肉・牛肉・イカ・タコ・栗・落花生・葡萄・蜂蜜

胃に食べ物が溜まっていて眠れなくなる

質の良い睡眠の為には、寝る前には胃がからっぽの状態が理想です。
ですが、元々消化力が弱かったり、習慣的に寝る前に食べたり、暴飲暴食をして「胃」に負担が掛かりすぎると、消化が進まず停滞します。
体の深部体温が下がることでスムーズに睡眠に入りますが、胃のなかに食べ物があると胃に血液が集まってしまい、血流が悪くなってしまいます。
そうなると、うまく寝付けなかったり、ぐっすり眠れなったり、夜中に胸苦しくて目が覚めるようになります。
症状としては、胃のあたりの張り、口臭、ゲップ、吐き気、下痢または便秘
が出やすくなります。

おすすめの漢方は、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、加味平胃散(かみへいいさん)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)など

食材としては熱を冷まして、胃を整え、精神を安定させるものがおすすめです。
たけのこ・梨・海苔・昆布・クラゲ・あさり

怖がり、ビクビクしやすい人は眠りが浅くなる

性格的に“肝が座っていない“タイプの方はびっくりする出来事や、強い恐怖感を抱くことがあると、不安でいっぱいで眠れない、小さな音が気になって眠れない、眠ろうとしても怖いことを思い出すといった状態になります。
性格的なものだから仕方ないの!?と思われるかもしれませんが、漢方ではある程度克服できると考えます。
漢方では「肝」や「胆」の働きが弱くなると、決められない、おろおろ、ビクビクしやすくなると考えます。
「肝」は自律神経や肝臓の働きを担います。ストレスの影響を大きく受けます。「胆」は肝と密接な関わりがあり、消化にも関わります。精神的には「決断」を司ると考えます。

症状としては、びくつきやすい、優柔不断、不安で仕方がない
などが現れます。

おすすめの漢方は、加味温胆湯(かみうんたんとう)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)など

食材としては気を補って精神を安定させるものがおすすめです。
米・山芋・じゃがいも・キャベツ・干し椎茸・人参・ほうれん草・小松菜・鶏肉・牛肉・イカ・タコ・栗・落花生・葡萄・ライチ・ローヤルゼリー

不安が強い人の不眠症の改善例

【お客様背景】
・60代女性
・不眠と不安恐怖症
・4年前に突然眠れなくなり、神経が高ぶって、マイスリーを服用するようになる。その後も薬が増える一方。
・体のだるさ
・胸が苦しい感じ
・ふわふわする
・不安がどんどん広がる
・気力がない
・これから何十年もこれが続くのかと思うと憂鬱になる。
・正月なども嫌になり、人を呼ぶのもでるのも嫌になっている。

【漢方的解説】
気力がない、体がだるいというのは、体のエネルギーである「気」が消耗している状態です。
そこに不安や憂鬱感が折り重なり、どんどん眠れない悪循環になっていました。
漢方的には「肝」「胆」を強化することで少しずつ不安感を和らげ、消耗しているエネルギーを補い、元気にしていくこと。
それと同時に周囲からは前向きになれるような声かけをし続けることが精神的な影響が大きな方には重要なことになります。

【経過】
飲み始めたのがお正月の頃、やはり人が多くなると気分が悪い。

2か月後には睡眠薬が1種類で眠れるようになり、不安感も昼間はうすらいできました。

3か月後には不安感が押し寄せる感覚が長くなってきているように感じていたものの、そこからなかなか顕著な改善が見られず、また睡眠薬の量が増えてきました。
日中の不安感はほぼ感じなくなったものの、睡眠だけがうまくいかず・・・漢方を始めて半年が経ちました。

しかしここからみるみる眠れるようになっていき、10ケ月が経つ頃には2泊3日で外出できるまでになりました。

そして1年が経ち、再び迎えたお正月。睡眠薬は一切使わず、楽な気持ちで過ごせました。

春には、お孫さんが誕生、お子様のご結婚が決まり、バタバタと忙しい日々も難なく過ごせました。

ご本人は「去年の状態であれば無理な事でした」とのこと。「去年の私とは違います」と自信が持てたようです。
始めてお会いした時は、非常に不安感が強いご様子だったのが、1年後の表情は笑顔もたくさん見られ、別人のようになられました。

漢方を飲む中でも、波があり、もちろんその都度不安もありましたが、最後にはきっと良くなる、良くなりたいという気持ちで頑張られたことが、実を結んだのだと思います。

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