症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/01/14 (金)

不安が強い人の不眠症の改善例

お客様背景
・60代女性
・不眠と不安恐怖症
・4年前に突然眠れなくなり、神経が高ぶって、マイスリーを服用するようになる。その後も薬が増える一方。
・体のだるさ
・胸が苦しい感じ
・ふわふわする
・不安がどんどん広がる
・気力がない
・これから何十年もこれが続くのかと思うと憂鬱になる。
・正月なども嫌になり、人を呼ぶのもでるのも嫌になっている。
漢方的解説
気力がない、体がだるいというのは、体のエネルギーである「気」が消耗している状態です。
そこに不安や憂鬱感が折り重なり、どんどん眠れない悪循環になっていました。

漢方的には「肝」「胆」を強化することで少しずつ不安感を和らげ、消耗しているエネルギーを補い、元気にしていくこと。
それと同時に周囲からは前向きになれるような声かけをし続けることが精神的な影響が大きな方には重要なことになります。
経過
飲み始めたのがお正月の頃、やはり人が多くなると気分が悪い。

2か月後には睡眠薬が1種類で眠れるようになり、不安感も昼間はうすらいできました。

3か月後には不安感が押し寄せる感覚が長くなってきているように感じていたものの、そこからなかなか顕著な改善が見られず、また睡眠薬の量が増えてきました。
日中の不安感はほぼ感じなくなったものの、睡眠だけがうまくいかず・・・漢方を始めて半年が経ちました。

しかしここからみるみる眠れるようになっていき、10ケ月が経つ頃には2泊3日で外出できるまでになりました。

そして1年が経ち、再び迎えたお正月。睡眠薬は一切使わず、楽な気持ちで過ごせました。

春には、お孫さんが誕生、お子様のご結婚が決まり、バタバタと忙しい日々も難なく過ごせました。

ご本人は「去年の状態であれば無理な事でした」とのこと。「去年の私とは違います」と自信が持てたようです。
始めてお会いした時は、非常に不安感が強いご様子だったのが、1年後の表情は笑顔もたくさん見られ、別人のようになられました。

漢方を飲む中でも、波があり、もちろんその都度不安もありましたが、最後にはきっと良くなる、良くなりたいという気持ちで頑張られたことが、実を結んだのだと思います。