症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/09/27 (水)

過食でも「気」を緩めてダイエット成功!

20代の女性のお客様。
誰に対しても同じように気遣いができる素敵な方ですが、長期間気遣いをし続ける環境でリフレッシュも足りていなかったご様子。
その反動で食べることで、気疲れを解消するようになったそうです。

ご自宅の外での食欲は普通ですが、ご自宅では満腹になっても、何か口にしていないと落ち着かない状況。菓子パンを毎日1〜2個は食べている…と。
1ヶ月で約5キロも増加してしまい、自分では食欲が抑えられないと困り果てていました。
お客様らしさを大切に、より輝くように
お話をお伺いしながら、私も色々思いました。

きっと食べている時は、張り詰めた気が緩むのでしょう。
そうやってバランスをとって、自分自身を保てている。

それはそれで大切なことです。

それすらなくなってしまえば、精神的なバランスを崩してしまわれるかもしれない。 
無理に我慢させてもいけない。
無理のない我慢で、食べなくても大丈夫なんだと、少しずつ自信をつけていただけたら。

そして、それだけ気遣いができること。
それは本当に素晴らしいこと。
これからも大切にしてほしい。

そうなっていただくようにサポートすることが、このお客様にとって、本当の意味で良くなるということかもしれない。
そのように感じました。
中医学的にこのお客様は、「肝鬱化火(かんうつかか)」と「胃熱(いねつ)」、つまり長期間、気を張り続けてきた結果、胃に熱がこもり過食になってしまっている体質でした。

改善方法として、まずは寝ている時にしっかり気が緩んで休めること、そしてなるべく日中の気の張りも楽になるような漢方をお出ししました。
気が緩めば、胃に熱が集まりにくくなりますし、いつもよりエネルギーが余るので、無理のない我慢も続けられるようになります。

また、なるべく早く痩せたいとのことでしたので、カロリーを抑えつつ必要な栄養はしっかり摂れるスープと、食事の前に飲むことで脂肪をつきにくくサポートするものも使用しました。
お客様のペースに合わせて、二人三脚でゴールを目指す
早めに体重を落とすとなると、食事量が減るため空腹感が出やすいです。
しかし、漢方を併用することで過食にならないように、また毎日お電話でお話しし、できるだけ楽しく一緒にやっていけるようにサポートすることで、何とかうまくいきました。

毎朝のお電話。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫でした。」
「大丈夫でしたね!明日も大丈夫ですよ!」

次の日も
「大丈夫でした。」
「やっぱり大丈夫でしたね。無理なくできていますね?」
「はい、大丈夫です。」
大丈夫ですの言葉に、まだ不安の残っていることを感じつつ、少しずつ自信をつけていただければ…と願いつつの毎朝のお電話。

「大丈夫でしたよ。」
と日に日に少し余裕が出てきました。

6日目以降は、お電話をとってくれないことも。
少し心配していましたが、後日、全く問題ないとのことが判明し一安心。

その後は、ご連絡の頻度も減らして見守る日々。

途中、生理前での体重の自然な微増やご旅行での外食もありましたが、心配していた過食はゼロ。夜もよく眠れるようになってきたとのことでした。

そして、1ヶ月で3キロの減量に成功!!
過食がなければ、自分でも体重コントロールできますので、その後も漢方で気の張りを整えつつ、お食事はマイペースにして引き続き減量に励んでいます。
頑張る方には、“気張らない”ダイエットを
ストレスで過食になり、痩せられないと相談に来られるお客様は多いです。
このようなお客様は、もう十分に頑張られています。

このようなケースは、ダイエットを頑張るよりも上手に気の張りをとることが大切です。
もともと頑張れる力がありますので、気の張りをとり、気の余計な消耗がなくなれば、気は余り、自然に違うことに頑張れるようになります。

根気が続かないのではなく、気の消耗が人より多いので、気が足りなくなって根気が出なくなるだけ。

実は誰よりも気遣いができ、我慢もできて、根気がある素敵な人が多いと感じます。

そういう方をサポートできるのは、とても光栄なことだといつも思います。