症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/05/15 (月)

【雨とも仲良くする力「正気」】

そもそも、梅雨の季節や雨、湿気そのものは悪者ではありません。
植物や動物を含め、私たち生き物は水がないと生きていけません。
生命の誕生・発育・成長に必要な、恵みの雨です。

お日さまだけではなく、そんな雨ともできれば仲良くなり、梅雨の季節を楽しみたいですよね。

世の中には、雨の日は体調がすぐれないという人もいれば、全く平気な人もいます。
その違いは何でしょうか…?
不調をきたしやすい人は、「正気(せいき)」が弱っている人
「正気」とは、ここで言うと湿気と仲良くできる力。「自然治癒力」とも言い換えられます。
湿気が病気の元「湿邪」になってしまうのは、この「正気」が弱いからです。

生活習慣が慢性的に乱れていたり、大きなストレスがかかったりすると正気は弱くなり、先述の脾・肺・腎の働きが低下したり、痰湿をため込みやすくなったりします。
その結果、湿気の影響を受けやすくなるのです。
雨でも平気な人は、「正気」が充実している人
「正気」が充実し、「自然治癒力」がしっかり発揮される状態であれば、少々の湿気には適応できます。

また湿気に限らず、暑さ・寒さや乾燥、風、アレルゲン物質など、気候変化や環境変化にも強く、それらと敵対せず仲良く過ごせます。
むしろ必要な刺激となり、ますます正気が充実する方もいらっしゃいます。
 
「正気」「自然治癒力」を充実させるには、自然治癒力を養う漢方を飲むことと同時に、日々の暮らしを整えることも大切。
まさに、今皆さまが取り組まれていらっしゃることですね!

一朝一夕にパッと変化を感じるものではありませんが、
地道な継続で、気づいたら去年より楽に過ごせている!と感じられる、健康の土台となる根っこの力。
この力が充実していれば、どんな季節も楽しめます♪