症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/11/18 (木)

生理がない!無月経の漢方

ホルモン剤のように飲んでいる間だけ整えるものと違い、漢方は体質を改善し、自分できちんと排卵し、定期的に生理が来るようにしていきます。

なぜ無月経になのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に合った処方を選んでいきます。

時間がかかる場合もありますが、自力で一度も生理が来たことがなかった方が、しっかり定期的に排卵するようになったというケースも少なくありません。

あなたはどのタイプ?症状チェック

虚弱タイプ

□18歳になっても初潮がない
□生理が次第に遅れて、無月経になった
□経血量が少なく、薄い
□身体が弱い
□食欲が少ない
□髪の毛に艶がなく、ぬけやすい
□めまい・耳鳴がある

生まれつきの身体が弱かったり、多産、流産、過労により、生理を整える力が不足しているタイプ。
また、元々胃腸虚弱であったり、飲食の不摂生や、考えすぎなどにより全身栄養不足のようになっている場合もあります。
漢方では性格も体調に影響すると考えます。
くよくよ考えすぎるタイプの方は、胃腸に支障が出ると考えるため、考え方を少しずつ変えることも大切です。

漢方薬は、生まれつきの場合や出産によるものの場合は六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などを使用します。
胃腸虚弱で貧血、顔色も青白い場合は、体のエネルギーである「気」や栄養分である「血」を同時に補っていく十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)や動物生薬の鹿茸(ろくじょう)などを使用しじっくり体質改善していきます。

虚弱タイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
〇体を温め滋養するもの、黒いもの、種子類
黒米、黒胡麻、黒豆、栗、くるみ、なた豆、さつま芋、鯵、ラム肉、エビ、ししゃも、海藻、ブルーベリー、醤油、味噌

〇お腹を温めるもの、消化しやすく栄養になるもの
黒米、もち米、山芋、生姜、かぼちゃ、蕪、ほうれん草、白菜、鯛、鮭、鶏肉、舞茸、うずら卵、林檎、ハチミツ、味噌

〇薬膳食材
枸杞子、銀杏、松の実、黒胡麻、ユリネ、丁子(クローブ)

【避けた方が良い食べ物】
冷たいもの、甘いもの、乳製品、過剰の水分、過剰のタンパク質

痩せ・体の潤い不足タイプ

□経血が次第に減少して、無月経になった
□両頬が紅い
□寝汗が気になる

やせ型で乾燥しやすい体質や、慢性的な炎症疾患(アトピー性皮膚炎やにきび、甲状腺など)、辛いものの過食などにより身体の潤いが不足しているタイプ。潤いが少ないので血液量が少なくなります。
頬が紅い、寝汗などは陰虚(いんきょ)=潤い不足体質の特徴です。

漢方薬は、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)、滋陰降下湯(じいんこうかとう)、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)などに加え動物生薬の鼈甲(べっこう)と呼ばれるスッポンの背甲などを使用します。

痩せ・体の潤い不足タイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
〇渋味、粘りのあるもの、黒いもの、種子類
栗、くるみ、胡麻、黒豆、なた豆、さつま芋、山芋、モロヘイヤ、よもぎ、生卵、豚足、エビ、イカ、海藻、ブルーベリー、醤油、味噌

〇薬膳食材
枸杞子、銀杏、松の実、黒胡麻、ユリネ、丁子(クローブ)

【避けた方が良い食べ物】
甘いもの、乳製品、利尿作用が強いもの、過剰のタンパク質

【生活面】
汗をかきすぎない(サウナ、ホットヨガは避けましょう)

ストレスタイプ

□数か月生理がない
□怒りっぽく気分の波が激しい
□胸部、下腹部が張って痛い

感情の起伏が激しかったり、ストレスがかかると、気の流れが滞ります。
ショックなことがあって生理が止まる、というのは多くの方が経験したことがあると思います。
気とは体全体のエネルギーのことで、体の中の「血」や「水」を巡らせる動力源でもあるので、気が滞る事で血も滞っている状態です。

漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうしょうさん)に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や折衝飲(せっしょういん)などを併用します。

※血の滞りは冷えによって起こる場合もあります。(稀発月経の項参照)

ストレスタイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
〇香りがあるもの、血をつくるもの、血流を良くするもの
ニラ、ねぎ、チンゲン菜、菜の花、ブロッコリー、セロリ、アボカド、桃、えび、うなぎ、ワイン

〇薬膳食材
高麗人参、桂皮、紅花、金針菜、艾葉(よもぎ)、ウイキョウ、陳皮

【避けた方が良い食べ物】
肉、油もの、冷たいもの、お菓子、インスタント

【生活面】
ストレスには呼吸法がとても効果的です。
腹式呼吸を意識しましょう。特に息をゆっくり吐くことを意識しましょう。

肥満タイプ

□肥満体系
□疲労感・倦怠感がある
□むくみが気になる

痰湿(たんしつ)とは、身体の余分な水分の事です。
痰はドロっとした脂のようなイメージで、湿はサラっとした水のようなイメージです。この痰湿が月経のルートを妨げてしまっている状態です。

漢方薬としては、体力に応じて防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)や加味平胃散(かみへいいさん)などを使用します。
また薬だけではなく、ダイエットやファスティングなど生活習慣改善も大切です。
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