症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/02/01 (火)

寝付きが悪い時に飲む漢方〜ストレスの不眠〜

体の中に熱がこもると寝付きが悪くなる

環境の変化や精神的なストレスなどの積み重ねで、次第にイライラしやすくなって情緒不安定になったり、胃が張ってきたり、のぼせたり…

ストレスにより気(生命エネルギー)の流れが滞ってしまい、体内に余分な熱がこもりやすくなります。その体内にこもった熱が炎のように立ち上って充満して、眠りを妨げてしまうため、布団に入ってもなかなか寝付けなくなってしまうのです。

漢方の考え方としては、熱がこもるのはさらに3タイプに分けられます。

ストレスで頭に血がのぼる!タイプ

もう頭にきて眠れない!とか、心配で心配でどうしても考えてしまう!という状態です。
症状としては、のぼせ、イライラ、口苦、頭痛や肩こりなどが現れます。

このタイプには、興奮を鎮めて熱を冷ましていく黄連解毒湯(おうれんげどくとう)や、三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)などの漢方薬を使っていきます。

食材としては熱を冷まして精神を安定させるものがおすすめです。
粟・苦瓜・白菜・セロリ・胡瓜・トマト・ワカメ・蟹・シジミ・緑茶

ストレスを溜めやすいタイプ

漢方では、性格も体調に影響します。「心身一如(しんしんいちじょ)」と言われ、心と体は密接なつながりがあると考えます。
ストレスを溜めやすい、気にしやすい、というのはある意味どうしようもないことかもしれません。
そんな時にはストレス緩和の漢方薬もぜひお役立てくださいね。
寝付きが悪い、寝てもスッキリしない、という他に胸部圧迫感、イライラ、怒りっぽい、憂鬱感、生理不順などが現れます。

このタイプには、気の滞りをとってストレスを緩和していく大柴胡湯(だいさいことう)や柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などの処方を使っていきます。

ストレスを溜めやすいタイプの不眠症の改善例

不眠+めまいや頭痛が出るタイプ

上記のストレスを溜めやすいタイプが長引いてくると、体が消耗した状態になります。
この時、めまいや頭痛を伴うことが多くあります。

その他の症状としては、顔や手足のほてり、皮膚の乾燥、口渇などが現れます。

このタイプには、ストレスを緩和することと同時に、不足しているものを補っていく処方が使われます。釣藤散(ちょうとうさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、抑肝散(よくかんさん)などです。

 

このように、同じ寝つきの悪いタイプの不眠でも、体質や症状によって選ぶ漢方も様々です。きちんとご自分の体質に合ったものを飲むことが大切ですね!
また、上記はほんの一例ですし、見分けのつきにくいものもありますので、ぜひ専門家にご相談ください。