症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/01/14 (金)

ストレスを溜めやすいタイプの不眠症の改善例

お客様背景
32歳の女性。何か嫌なことがあっても溜め込んでしまう、頑張り屋さん。

1年半ぐらい前からストレスで眠れない。
会社の人間関係で悩み、眠るまで考えてしまうので寝つきが悪い。せっかく寝ても変な夢ばかり見る。朝起きても考えてしまう。
会社に行きたくない・・・・と、気持ちが塞ぎやすい。
午前中、胃がキリキリと痛み、吐き気もする。
体重減少。元気もない。
漢方的解説
ストレスを溜めこみすぎて、気の巡りが悪くなり不眠のほか胃腸の症状が出ていました。
食べたものがしっかり吸収されないので、体は栄養不足で元気もなくなっている状態。
ストレスを緩和することもですが、体の栄養不足を補うことも必要です。

思い悩むことで様々な体調不良を抱えていましたが、どれもある意味自然なこと。
漢方薬の力を借りて少しずつ元気になりながら、これから先の人生でまたストレスがかかった時、どのように向き合っていくか、どのように考えるかという心の持ちようも重要だと感じます。
経過
漢方を飲みだして1ヶ月、少しずつですが、自然と眠くなるようになって、気力も出てきました。
2ヶ月目、よく眠れるようになり、胃の痛みは全くありません。
3ヶ月目、体重が2キロ増えた!もうちょっと増やしたい。嬉しい。

その後も順調ですが、たまに無理をすると変な夢を見たり、息苦しい時があったりはしました。そんな時は呼吸法で気分を整え、無理しないようほどほどに。

初めてお会いしてから、一年後のある時。「すごく変わりましたね」と何気なく言うと、突然ボロボロと涙を流されました。
「本当によかったです」と。続いて、笑いながら恥ずかしそうに「すいません」と。
その瞬間、はじめてこの方の本当の辛さが少し分かった気がしました。

ストレスで悩むことの多くは、人間関係だったりします。仕事をするということは、人間関係がつきまとうのは当たり前です。だから悩むのも当たり前。悩んでいるのは、頑張っている証拠。
頑張るだけじゃなく、泣いたり、自分をほめたり、時には立ち止まることも必要です。
そうすれば、物事は自然とよい方向に向っていく。そう信じ、前を向くことですね。