症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/15 (金)

頻尿

漢方的な原因
漢方的にみる頻尿の原因としては、大きく3つに分類されます。
(1)膀胱湿熱
漢方でも「膀胱」は、不要な水分をためて排泄する働きに関わる機能。

身体の外から熱を帯びた湿気「湿熱の邪気」が入ってきたり、飲食の不節制などによってこの病態がみられます。
いわゆる膀胱炎の症状が起きているような場合です。

尿の色が濃く黄色い・濁っている、排尿時に灼熱感や痛みがある、すっきり出ない、血尿が出るなどの症状を伴います。
代表的な漢方薬
五淋散、竜胆瀉肝湯、猪苓湯、猪苓湯合四物湯など
 
(2)肝気鬱結
過度なストレスや激しい情緒変動があると、気血の巡りを調節している「肝」が影響を受けます。
すると気の停滞により火が生まれ、それが膀胱に影響を及ぼした場合に、頻尿がみられます。

やはり尿の色が濃く黄色かったり、排尿時の灼熱感、排尿痛、腹部の張りや痛み、便秘などを伴うことがあります。
代表的な漢方薬
竜胆瀉肝湯、加味解毒湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散加陳皮半夏など
 
(3)腎気虚損
膀胱は、生命エネルギーを蓄えている「腎」と表裏関係にあります。
そのため、慢性疾患や過労、出産、加齢、性生活の不節制などにより「腎」が弱ると、頻尿がみられることがあります。

夜間尿や冷えによる頻尿、腰痛や足腰のだるさなどがみられることもあります。
代表的な漢方薬
清心蓮子飲、六味地黄丸、八味地黄丸、知柏地黄丸、牛車腎気丸など
 
『頻尿』を根本から改善するには、漢方薬を
「毎日夜中に尿意で目が覚め、睡眠不足できつい。」
「外出先や移動中にトイレのことが気になって仕方がない。」
などでお悩みの方は、根本からお体を整えていく漢方薬がおすすめです。


トイレの回数が1日10回以上あったり、毎日夜中にトイレに起きるというのは、日常生活に支障をきたしてしまうことがあります。
トイレの回数が多いという方だけでなく、夜中だけ近くなったり、尿もれや残尿感、水の音や外出など精神的なものがきっかけとなる方など、症状も様々。


漢方では泌尿器系の症状だけではなく、体力や自律神経、冷えなど全体をみて、いま体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、全身のバランスをとることで頻尿を改善していきます。
原因不明でなかなか改善しなかったところ、漢方で体質改善し、トイレの悩みがなくなったという方も多くいらっしゃいます。

そもそも体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。

トイレのお悩みはなかなか周囲に打ち明けにくく、お一人で抱えてしまっている方もいらっしゃると思います。
ご不安なお気持ちを和らげ、しっかり改善に向けて取り組めるよう、漢方みず堂では完全担当制でお話を聴かせていただきます。
ぜひ一度ご相談くださいませ。