無月経・生理不順・不正出血の基礎知識と漢方

生理不順と漢方

生理は正常な状態であれば21~35日間(西洋医学では25日〜38日)という決まった周期で訪れて、大体3~7日間ほど続きます。

経血の量は個人差がありますが、出血量に関しては、量ったことないですよね?
目安としては夜用ナプキンを全く使わない人は少ない、昼間でも1時間おきに夜用ナプキンを替えるような方は多い、と考えてください。

意外と他の人と比べることがなく、ずっと自分の生理と付き合ってきているので「みんなそんなものだと思っていた」という方も多いのではないでしょうか?

中医学的な正しい生理は一般的な正しい生理に加え、血の塊が出ない、生理痛・生理前の症状がないということなども正しい生理に含まれます。

正常ではない生理とは、生理周期が短くて月に何回もくる場合や逆に3か月経っても生理が来ない周期の異常や、生理が10日以上続いたり、経血の量が多かったり少なかったりするケースなどがあります。

こういった正常な生理から外れるケースの事を生理不順(月経不順)と呼びます。

生理(月経)の仕組み

女性の体には4つの周期があります。

生理(月経)の仕組み

①卵胞期(生理後〜排卵までの間)
卵巣の中には卵子の元となる原始卵胞というものがあります。

この原子卵胞に脳から出るホルモンの働きが加わって、成熟卵胞という物になります。

成熟卵胞はエストロゲンというホルモンを放出して、子宮内膜を厚くしてくれます。
この時期は低温期と言われており、体温は低い状態が続いています。

②排卵期(卵胞期と黄体期の間)
脳からのホルモンの働きによって、卵胞期に作られた成熟卵胞から卵子が排出されます。

排卵が起こるのは卵胞期と黄体期の間です。
排卵が起こるタイミングを排卵期と呼びます。

排卵日の前には体温は一度下がることがありますが、すべての人に起こるわけではないです。

③黄体期(排卵後〜生理までの間)
排卵後の卵胞は黄体という組織になり黄体ホルモンを分泌します。

黄体期は平均して14日ほど継続します。
このホルモンの働きで、女性は妊娠に適した状態になることが出来ます。
妊娠をしなかった時には黄体の働きは弱まっていき、ホルモンの量も少なくなります。

この時期は高温期と言われて体温は高い状態になります。

④生理(月経)
女性ホルモンの量が減ることにより妊娠の準備を整えていた子宮内膜は剥がれ落ち、血液とともに子宮口から排出されます。

出血が起こることを医学用語では、月経というのですが、一般的に生理という言葉の方が使われています。

妊娠しない限りこの4つの時期が周期的に繰り返されます。

色々なタイプの基礎体温表

教科書通りの正常な基礎体温になる方も珍しいので、多少の違いはきちんと生理が来ていれば気にしなくて良いでしょう。

ただ、基礎体温を見て、隠れている原因や病気がわかる場合があります。
以下の3つのパターンの方は参考にしてみてください。

タイプ 考えられる原因・病気
高温期が無いタイプ 無月経
無排卵月経
高温期が短いタイプ 頻発月経
黄体機能不全
体温がギザギザタイプ PMS
高プロラクチン血症

正常なタイプ

14日ほど低温期が続いて、排卵日に一度体温が下がりその後スムーズに高温期に入り14日ほど継続します。
その後生理と共に体温が下がってくるのが正常な基礎体温です。

正常なタイプ

高温期が無いタイプ

高温期が無いタイプの基礎体温の方は、生理の起こらない無月経や、生理があるのに排卵がない無排卵性月経の可能性があります。

精神的な問題で引き起こされたり、ダイエットや過度の運動が原因になることもあります。

高温期が無いタイプ

高温期が短いタイプ

高温期が短い方は、黄体機能不全症という病気の可能性があります。

正常な状態よりホルモンの働きが弱くて、子宮内膜がしっかり出来上がる前にはがれてしまうので月経周期が短くなる事があります。

不妊の原因になることもあるのでホルモンを補充するなどの治療法が必要になる場合があります。

高温期が短いタイプ

体温がギザギザタイプ

基礎体温がギザギザになっている方は、ストレスが原因で自律神経が乱れている可能性があります。

月経前緊張症候群(PMS)や脳からプロラクチンというホルモンが過剰に出ている場合にこのようなグラフになることがあります。

体温がギザギザタイプ

あなたはどのタイプ?症状チェック

もしかしたら生理不順かも?自分のタイプをチェックしましょう。

また、生理不順には必ずしも病気が潜んでいるわけではなく、ストレスや過度なダイエットでもあらゆるタイプの生理不順が起こります。

また、思春期や更年期のホルモンバランスが自然と大きく変化する時期は生理不順が起こりやすく、それほど心配する必要はありません。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

  生理の状態 基礎体温タイプ 可能性のある病気
①無月経 18歳になっても生理が始まらない 高温期が無い 高プロラクチン血症
3ヶ月以上生理がない 体温がギザギザ  
②稀発月経 生理周期が39日以上3ヶ月以内で出血が起こる 高温期が無い 多嚢胞性卵巣症候群
体温がギザギザ 高プロラクチン血症
  子宮筋腫
  子宮頸がん
③頻発月経 生理周期が25日未満で出血を繰り返す 高温期が短い 黄体機能不全
月経周期が連続して2回以上、しかも7日以上繰り上がる状態 体温がギザギザ 卵巣機能低下
④不正出血 月経とは異なるタイミングで出血する 特に傾向はなし 子宮体がんやポリープなど器質的問題

①生理がない!:無月経

8歳になっても生理が始まらない、
またはいつもは生理があるのに3ヶ月以上生理がない状態です。

妊娠中や産後、初潮後の一時的な月経停止は該当しません。

無月経の原因

前者の場合、原因は生まれつきであることがありますが、
後者の場合、精神的な事が原因になることが多いです。
その他ダイエットや過度の運動でも生理が止まることがあります。

生理がない!無月経の漢方

ホルモン剤のように飲んでいる間だけ整えるものと違い、漢方は体質を改善し、
自分できちんと排卵し、定期的に生理が来るようにしていきます。

なぜ無月経になのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、
お一人お一人に合った処方を選んでいきます。

時間がかかる場合もありますが、自力で一度も生理が来たことがなかった方が、
しっかり定期的に排卵するようになったというケースも少なくありません。

【詳しくはこちらから】

②生理周期が長い!:稀発月経

生理の周期が正常よりも長く、39日以上3ヶ月以内で出血が起こる場合を稀発月経と呼びます。

稀発月経の原因

①多嚢胞性卵巣症候群
卵巣に小さな卵胞が連なって詰まってしまい、うまく排卵できない状態になっていることです。

卵胞が排卵が行えないことにより生理の周期が通常よりも長くなります。

肥満や月経不順によりホルモンのバランスが崩れて、男性ホルモンのアンドロゲンが過剰になっている事やエストロゲンというホルモンが多くなることが主な原因になっています。

治療法は妊娠の希望の有無や年齢により異なりますが、
低用量ピルの服用や排卵誘発剤の内服や注射剤、手術などを行なっていきます。
どちらの場合でも減量や運動は排卵誘発の成功率を高めるために重要です。

30代女性で−13kgのダイエットをして多嚢胞性卵巣症候群を克服した例はこちら。

②子宮筋腫
筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍のことで、30〜40歳代の女性の5人に1人は筋腫があると言われています。

初期ではほとんど自覚症状がなく、筋腫が大きくなるにつれて生理痛が強くなったり、経血量の増加や生理周期が長くなるなどの症状が見られ、貧血やめまい、立ちくらみなどが起きます。

筋腫が膀胱や腸を圧迫してしまって、頻尿や排尿、排便の痛み、ひどい場合には腰痛などを起こすこともあります。子宮筋腫は不妊や流産の原因にもなります。

子宮筋腫について詳しくはこちらをご覧ください。

③子宮頸がん
20〜30代に多い、子宮の入り口にできるがんです。
多くは性交渉によりHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因となって発症します。

初期症状はほとんどなく、感染すると数年かけてがんに発展します。

がんになっていく途中では生理の期間が長くなる、
不正出血や性交時の出血といった症状があらわれることがあります。

生理周期が長い!稀発月経の漢方

生理周期が長いという場合、無月経と違って全く生理がないわけではないため放置する方が多いようです。
どんな病気でも、慢性化すればするほどこじれてしまいます。

漢方は体質を改善し、自分できちんと排卵し、定期的に生理が来るようにしていきます。
また根本的な原因を解決しますので、稀発月経が解消されるだけでなく、生理痛や冷え性、肌荒れ、ストレスによる胃腸の不調などその他のお悩みも同時に解消されるのが漢方の魅力です。

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③生理周期が短い!:頻発月経

生理の周期が不規則で、25日未満で出血を繰り返す場合を頻発月経と呼びます。

漢方では月経周期が連続して2回以上、しかも7日以上繰り上がる状態をいいます。
3~5日早くなっても他に明らかな症状がないものは該当しません。

頻発月経の原因

黄体機能不全症があります。
排卵が終わると、卵胞はホルモンを分泌して子宮内膜を厚くしてくれます。

しかしホルモンがうまく働かないと子宮内膜がうまく成熟せずにはがれてしまいます。
その結果月経の周期が短くなり月経が月に何度も起こってしまします。
黄体機能不全があると、不妊や受精卵がうまく育たないといった事が起こりやすくなります。

治療は黄体ホルモンをそのものを補充する方法や黄体を刺激して黄体機能を賦活化させる方法があります。

生理周期が短い!頻発月経の漢方

月に2度も生理があると煩わしいというのもありますが、それだけ生理の回数が多くなり、貧血や子宮内膜症、子宮筋腫などの悪化要因にもなります。

漢方は体質を改善し、自分自身の体の機能を最大限に引き出して自然に生理が来るようにしてくれるものです。

女性ホルモンは大変複雑なメカニズムなので、不足しているものを補えばいいという単純なものではありません。

一時的にホルモン剤の力を借りることはあったとしても、自分自身に備わっている本来の生命力を高めることが根本的な解決につながります。

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④どう見ても生理じゃないタイミングで出血する!:機能性子宮出血

女性ホルモンのバランスが乱れやすい思春期や更年期障害の女性などは月経とは異なるタイミングで子宮内膜が剥がれ落ち、月経不順を引き起こすことがあります。

また、女性ホルモンの分泌バランスが変化することで自律神経の乱れや気持ちがどんよりするなどさまざまな症状を伴うこともあります。

治療はホルモンバランスの乱れを改善する為のホルモン療法が中心になります。

また出血に対しての止血剤や、出血に伴う貧血には鉄剤などを飲んで症状の改善を行う場合もあります。

不正出血の漢方

生理ではない出血。
もちろん、がん検診などは定期的に受けないといけませんが、
殆どの場合は、体のバランスが崩れていることが原因です。

ホルモン剤のように飲んでいる間だけ整えるものと違い、
漢方は体質を改善し、自力で生理が整うようにしていきます。

なぜ不正出血が起きているのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に合った処方を選んでいきます。

【詳しくはこちらから】

その他の原因

①脳の病気
月経は卵巣からのホルモンだけでなく、脳からのホルモンによっても調節されています。

ホルモンを出す脳の一部に何らかの外傷や炎症、腫瘍などがある場合、
脳から出されるホルモンが正常に分泌されず、月経不順になることがあります。

この場合はまず検査を行い、手術や薬物療法を行なっていくのが一般的です。

②子宮体がん
50代以上に多く、子宮内膜の細胞が悪性腫瘍に変化し、がん化したものです。

最近では30代で発症するケースも増えています。
無理なダイエットや加齢などで女性ホルモンのバランスが乱れることが原因と考えられています。

初期症状のほとんどない子宮頸がんに比べ、子宮体がんは初期の段階から9割の人に不正出血がみられます。
その他オリモノが茶色になったり、生理やオリモノの量が増えたりします。

生理不順が及ぼす影響

生理不順が続くと肌荒れや肥満、不妊症といったことにつながってきます。

ホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌が過剰になりニキビや肌荒れの原因になります。

また、毛深い、肥満傾向といった症状が出てくることもあります。

女性が一生のうちに分泌する女性ホルモンの量はティースプーン1杯ほどです。
たったこれだけ少量でも私たちの体には大きな影響を及ぼします。

生理不順のご相談は漢方みず堂まで

生理不順と言っても、早くなったり、遅くなったり、様々なタイプがあり、それぞれに原因が異なります。

ホルモン剤のように飲んでいる間だけ整えるものと違い、
漢方は体質を改善し、自分できちんと排卵し、定期的に生理が来るようにしていきます。

なぜ生理不順になってしまったのか、体の中でどういうことが起こっているのかを
漢方的に紐解き、お一人お一人に合った処方を選んでいきます。

また、体質改善を進めていく途中では体質も変わっていきますので、
その都度自分に合った漢方薬を飲むことが大切です。

基本的に初回お話をお伺いした漢方専門相談員が、完全担当制でサポートいたしますので漢方をスタートした後でも、少しでも身体に変化があった際はいつでも相談いただけます。

このマンツーマンのサポート体制が『症状が良くなるまで、根気よく漢方薬を続けられました。』と、女性のお客様からご好評いただいているポイントでもあります。



〈参考資料〉、
一般社団法人日本女性心身医学会、
女性の病気について「生理不順」、
http://www.jspog.com/general/details_07.html

株式会社ギミック、
「ドクターズファイル」 、
https://doctorsfile.jp/medication/227/

田久和/義隆(2014)『全訳中医婦人科学』たにぐち書店