症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/08/16 (火)

発汗・冷たい飲食・気温差によるダメージと秋への影響

猛暑日や熱帯夜の発汗、暑さをしのぐための連日の冷たい飲み物や食べ物、屋外の猛暑と室内の冷房で驚くほどの気温差、カンカン照りと急激な豪雨を行き来する気圧差。
これらの影響でエネルギー「気」は激しく消耗し、気や陰液を作る「脾(胃腸)」は疲れ果てています。食欲低下や倦怠感などの夏バテ症状は、身体からのSOS!

治す力がある方は、湿気に弱い脾も、秋にかけて空気が乾燥してくると徐々に回復。まさに食欲の秋に。

しかし、もともと脾が弱い方は回復しきれず長引く場合も。秋の不調に繋がります。
 
秋以降に起こりやすい不調
 □ 憂鬱感、悲壮感
 □ 風邪を引きやすい
 □ アレルギー症状(喘息、花粉症、アトピー)
 □ 肌荒れ
 □ 抜け毛
 □ 便秘、下痢


漢方で秋は「肺」の季節です。
「肺」は主に、呼吸器(鼻、喉、気管支、肺)や皮膚・皮毛、大腸などの粘膜の働き。全身へ気を流したり、潤いを行き渡らせたり、老廃物の排泄を後押ししたり、外部刺激から身体をバリアしたりと、大役を担っています。

また、「脾」と「肺」は親子の関係にあると考えられており、脾で作られた気・血・津液が肺へ送られることで、肺が正常に機能できています。
そのためまずは脾が元気に働けることが、肺もいつも通り働けることに繋がります。

そんな肺は、程よく潤っていることが好条件。空気が乾燥する秋はダメージを受けやすいのです。
気を消耗したまま、脾が回復していないままでは、肺の働きも低下気味に…。

食欲の秋、運動の秋、読書の秋、芸術の秋…いろんな秋が楽しみになるよう、元気を取り戻しましょう!