症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/02/11 (金)

胃腸が弱い人のむくみ~防已黄耆湯~

以下の症状に当てはまる方におすすめです。

□ 汗かき
□ 身体が重い
□ 膝に水がたまる
□ 手足がこわばる
□ 風邪をひきやすい
□ おしっこにあまり行かない
□ 肌のハリが弱い
どんな漢方薬?
  • 防已(ぼうい)
    水の流れをよくする
  • 黄耆(おうぎ)白朮(びゃくじゅつ)甘草(かんぞう)
    胃腸を整えて気力をUP
  • 生姜(しょうきょう)大棗(たいそう)
    他の生薬の働きを強める
 
漢方の考え方の扶正去邪(ふせいきょじゃ)がぴったり当てはまる処方。

黄耆、白朮で体を正そう(よくする)とする力を増やして=扶正

防已、白朮により水の邪気を除去する=去邪

というバランスのとれた、体質改善にもってこいの漢方薬です!
 
どのような状態に使うの?
漢方の解説の本には、
「色白で筋肉が柔らかく、水太りの体質で疲れやすく、汗かき、おしっこは少なく、下半身にむくみや膝関節に水が溜まりやすい人」
に使うと記載があります。

全部が当てはまる方は稀で、処方を考えるときに考慮します。イメージはしやすいですね。


「体重を減らしたいが、膝も痛く運動はできない」という方に防已黄耆湯を飲んで頂いたことがあります。
すんなりと体重は落ち、膝の水も抜けて痛みも和らぎ、足を引きずり気味だったのが、スムーズに歩けるようになられました。

さらに他の症状では、手湿疹(ジュクジュク)の皮膚症状が改善したりもしました。

一つの漢方薬で色々な症状が改善していく…不思議ですよね。病名で選ばないのが漢方です。


まだまだ他の症状にも防已黄耆湯が使われることがあります。
逆に水太り、むくみにも防已黄耆湯以外の様々な漢方が使われます。

専門の所で体質にあわせた漢方を飲まれることをおすすめします。