症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/02/11 (金)

胃腸が弱い人のむくみ~五苓散~

以下の症状に当てはまる方におすすめです。

□ 水様性下痢
□ 水様性嘔吐
□ むくみ
どんな漢方薬?
文字のごとく5つの生薬
茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、白朮(びゃくじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)、桂枝(けいし)
が配合されてます。

茯苓、猪苓、白朮、沢瀉、この4つの生薬で「四苓湯(しれいとう)」となります。
胃腸系の余分な水をとるため、むくみに使います。

ここに「桂枝」が入ることで、体表面を温めて、胃腸の余分な水に加えて表面の水の流れも整えます。


原書の傷寒論には散剤(粉薬)と記載があり、生薬を粉末にしたものを白湯で服用するようです。
煎じ薬として服用するときは、あまり濃く煎じないなどの注意が必要です。
 
どのような状態に使うの?
むくみや水様性下痢に使われることが多く、二日酔いにも使います。

二日酔いと言っても、
「口の渇きがあり体は脱水症状であるが、胃腸は水分過剰で水分を取ると吐いてしまう二日酔い」
に有効。
漢方では「水逆」という状態で、水の流れが悪くなっているタイプです。

二日酔い=五苓散というわけではありません。


小児の嘔吐下痢症で使われることも多く、飲んでもすぐ吐いてしまうので、病院では坐薬として作っている所もあります。

漢方薬は、腸で分解され吸収していくため、坐薬は効きがよいでしょうね。
五苓散が作られた頃には坐薬は考えられなかったでしょうが、進化ですね。


五苓散はむくみの症状改善で使いますが、長期で続けて服用して体質改善するものではありません。