漢方よもやま話

『母さんの気持ち』

カテゴリー:心の栄養
心身一如
心と体は一つという漢方の考えがあります。
体が元気に美しくなるには、心の美しさも必要です。
皆様に本当の意味で元気に美しくなっていただきたいと願い
「心の栄養」になるお話をお送りいたします。
『母さんの気持ち』

東北の海辺の町に一人住む母の元へ帰省した時のこと。


でこぼこしていた玄関の土間が、コンクリートできれいになっているのに気が付いた。


母の話によれば、家の後ろの道路工事に来ていた五、六人の男女の人たちが、炎天下の中で休む所もなく、川の淵で弁当を食べているのを見て、その人たちを家へ呼んで、二週間ほどお茶を入れてやったのだそうだ。


そのお礼に工事の最後の日に、余ったコンクリートを皆で運んで来て、土間をきれいに塗り固めてくれたと言う。


話し終わって母は、「徳義(息子)も、どこかでこうしてもらえたら、と思ってやった」とポツリと言った。


遠く離れた土地で、同じ工事現場で働く息子を思う親心を、身近にいる人たちに注いでやった母。


また、その母の気持ちに対してさりげないお礼をしてくれた道路工事の人たち。


私も母のような心を持って、生きていきたいと思った。


 


※「涙が出るほどいい話 第一集」より


この文章は漢方みず堂暦2016年8月号に掲載されたものです。
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