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『 新年を迎えるにあたり』

カテゴリー:漢方コラム
漢方コラム
漢方みず堂の漢方専門相談員が漢方にまつわるお話をしています。
それぞれの個性あるコラムをどうぞお楽しみください。
『 新年を迎えるにあたり』

早いものでもう12月、一年があっという間ですね。この12という数字ですが、干支・星座・時間など世界中様々な所で人間の生活の中に密接に関わるとても大切な数字です。しかしその次の13という数字に関しては北欧神話・キリスト教などで裏切りを連想させることで忌避される数字となっています。


日本でも13は金気(万物を五行で表したときの金の性質に殺の意味合いがある)の生数4と成数9の和であるため、完全な金気を象徴する殺気の数である為に忌避されてきたと言われています。時間や月でも12まで数字が進むと、また1から始まるのはそう意味合いもあるかもしれません。日本ではこの終わり、そして始まりを様々な行事として昔から生活の中に取り入れてきました。その為年末年始はする事が多く早く走り過ぎて行く、12月は師走といわれていますね。


この中でも私が毎年必ずしていることがあります。まずは大掃除、普段行き届かない所までを丁寧に掃除して一年で溜まった汚れを落とし気持ちよく新年を迎えるものですが、根底にあったのは『感謝』ではないでしょうか?古くは煤払いとして、その年を無事に過ごせたことの感謝と、新年に年神様を迎え来年も五穀豊穣でありますようにという意味があったようです。それが今のような大掃除に姿を変えて神様の部分は薄れつつありますが、『感謝』の部分は変わっていないと思います。


換気扇など一年も掃除をしていなければ掃除も大変ですよね?逆にそれだけ自分のいる空間を綺麗にしてくれていた。網戸・雨戸なども拭いてみると雑巾は真っ黒です。それだけ外からの風雨を一年間防いでくれていたんですね。


私達が今年一年無事で過ごせたのは、これらのおかげかもしれません。


これらに感謝を行動として返すことが掃除です。丁寧に扱った物は必ず長持ちします、長く私たちを見守ってくれます。雑に扱えばその役目機能を果たせなくなります。そしてこれは私達の体も同じです。食べ物を噛んで・消化吸収して・体全体にエネルギーを運んでくれて・動かしてくれて、まだまだいろいろな機能の積み重ねで私達の体は動いています。そう考えるととてもすごいことですよね?


そんな体が元気に動いてくれることが当たり前になり、それにかまけて無理をさせるとやはりどこかに無理がきます。一年間私の体、頑張ってくれて本当に有難う。でもどうやってそれを示せば良いのだろう?


そこで私がしていることがお屠蘇です。


年末大晦日に日本酒やみりんにつけて、お正月に飲む縁起物とされています。「一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し」といわれ、一年間溜まった邪気を払い、新しく生まれ変わり新年を健康に過ごす長寿の意味合いも込められています。入っている生薬は時代・地域・場所で違いますが、私はみず堂の心がこもった、香り豊かなお屠蘇を毎年家族でいただいています。外だけでも内だけでもどこかでバランスを崩してしまいます。内も外もスッキリした状態にして新年を迎えていきましょう。


今年も一年有難うございました。


(野嶋 秀憲)


このコラムは漢方みず堂暦2015年12月号に掲載されたものです。
漢方みず堂暦は毎月1日に発し、漢方みず堂各店舗にて無料で配布しております。
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