漢方よもやま話

『 生命力  』

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『 生命力』

「新涼 新秋 爽秋 秋色 秋冷 秋晴」。


これらの言葉は9月を表し、漢字のイメージからすると涼しげな季節といった感じですが、現実は暑さが取れず残暑ですね。このような時に私が思い出す言葉は、「心頭滅却すれば火もまた涼し」です。これは心を無にすること。心が無の境地に至れば、火でさえも涼やかである、すなわち苦しみも苦しみとは思わなくなる、という意味の言葉です。病も気からといわれますが、「気」の持ち方は本当に大切です。そこで今回は「気」について書きたいと思います。


「気」と聞いて何を連想しますか?


「気」とはエネルギー(生命力)の様なものです。気は先天の気(生まれつき両親から受け継がれるもの)、後天の気(生まれた後の気)に分けられます。先天の気が強いといつも元気!しかし先天の気は生まれた後で増やすことはできず、生まれた後は後天の気が力を発揮します。そしてこの後天の気を作る時に大切な役割を担っているのが「脾」と「肺」です。


「脾」は飲食物から気をつくる働きをしており、消化吸収に携わる器官で主に腸を表します。気の源は食べ物ですので、普段から口にする食べ物は本当に大切なもの。添加物や砂糖の多い食事ではなく旬のものを積極的にとることをお勧めします。また脾は湿気が苦手ですので夏場に冷たい物や水分を取りすぎると食べたものを上手に消化できなくなり、体の中に湿気が溜まり体が重だるく感じるようになります


その予防には湿気を取る食べ物であるトマトやキュウリなどを食べて、体内の除湿をしましょう。他にも脾は納豆や味噌汁などの発酵食品を取ることで元気になります。お米も白米よりは玄米や雑穀米がいいですね。


そして後天の気を上げるもう一つは空気!


この空気を体内に取り込み気を作っているのが「肺」です。新鮮な空気を吸うとなんだか元気になりますし、喘息やアトピーを持っているお子様が自然豊かな場所に引っ越すと調子が良くなったという話も耳にします。


また森林浴などに行くときれいな小川の流れる音、小鳥のさえずりや木々を揺らす風の音を聴きながら歩いていると自然と心がスッーと落ちついた気分になり元気が湧いてくる感覚を体験したことはないでしょうか?きれいな空気を取り入れることは体に活力を与えてくれます。


このように気を体にみなぎらせて、さらに気持ちも強く持つことで、心と身体が安定し病気に打ち勝つ力がみなぎってくる!皆さんの心が、自分は病気にならない!大丈夫!そんな境地に至れば病気に打ち勝つことができるのです。少し涼しく過ごしやすくなったら体に優しい手作りのお弁当をもって森林浴をしながら新鮮な空気を吸って生命力を上げましょう。


 


(盛本 直也)


このコラムは漢方みず堂暦2015年9月号に掲載されたものです。
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