河端孝幸の読む漢方

高校野球から学ぶもの

史上初の出来事~タイブレーク~

第100回の夏の甲子園大会も感動を与えてくれました。八田英二・大会審判委員長(日本高野連会長)の講評の中にも、100回の大会史上初の二つの出来事が挙げられました。ひとつは佐久長聖と旭川大の試合は、甲子園の高校野球で初のタイブレークによる決着となったこと。個人的に旭川出身の私は、偶然にもこの試合をテレビで一部始終見る事ができました。8回にレフトの選手の落球で逆転され、9回に再度同点に追いついた瞬間、テレビ画面に映し出された落球した選手の何ともいえない泣きそうな顔。その顔を見て私も同じように涙ぐんでしまいそうになりました。そして、大会史上初のタイブレーク。残念ながら負けてしまいましたが、北海道民にとっては誇りと思える試合でした。
さらに、2回目のタイブレークとなった済美と星稜はこれまた史上初の逆転サヨナラ満塁本塁打を放ち、熱戦に終止符を打ちました。

史上初の出来事~2回目の春夏連覇~

最後の決勝戦で優勝した大阪桐蔭はこれまた史上初の2回目の春夏連覇。同校の選手や監督、ベンチに入れなかった部員の皆さん、その他の関係者の皆様、大変おめでとうございます。優勝候補といわれ、応援の吹奏楽の皆さんが演奏する曲の中にも春夏連覇と謳われ、大変なプレッシャーがあったにもかかわらず、それを成し遂げたその心・技・体の強さには敬服するものがあります。
一方準優勝の金足農業は、秋田県民に留まらず、日本中の人々を味方につけたと言ってもいいくらいでした。秋田大会から1人で投げぬき、甲子園でも決勝まで5試合すべてに完投した吉田投手。決勝戦では、5回に132球で力つきましたが、実に6試合で881球も投げました。終了後のインタビューで、決勝では3~4回で下半身に力が入らなくなったとのコメントを出しておりました。交代前の5回には本来150Km近くの球速が120kmそこそことなっておりました。
決勝戦のレジェンド始球式に登場した大田幸司投手の延長18回、再試合(昭和44年の松山商業対三沢高校の大会史上初めての延長18回引き分け、再試合となり27イングを一人で投げぬいた)での投球とダブってみていたのは私だけではなかったと思います。

一所懸命

高校生の白球にかけた情熱や涙。ひとつの球を無心に追いかけ、一打席にかける想い、まさに一挙手一投足に魂をこめた動きがあるからこそ、人を感動させる。
その姿は我々にも、一つ一つに魂を込める事の大切さを教えてくれているとも感じます。
その瞬間に魂を命を込めてやっているのか。そこまでいかなくとも真剣か。絶対に諦めてはいけない。そんなことを問われているように思います。
一所懸命=一つのところに命をかける。そのようなことを考えさせ、身をもって教えてくれるのだと思います。

最後に、レジェンド始球式をやった朝日新聞の桑田真澄氏のコメント
次の100年に求めたいことは「時代にあった改革」。秋田大会から完投を続ける金足農業の吉田選手について、「痛みがあったら休んでほしい」と気遣い、球数制限など金の卵を守るルールつくりを大人がしていかないといけない。
と結んでいました。

いずれにしてもありがとう。高校球児の皆さん。