河端孝幸の読む漢方

「心」と「技」

「心」と「技」

よく心技体という言葉が使われます。
つい先日終了した冬季オリンピック・パラリンピックは、それぞれのアスリートの方たちの目覚ましい活躍が目立つ大会となりました。
どのような選手でも、挫折を繰り返し、空前絶後の努力を重ねての結果。だからこそ眩しくもあり、輝いているのでしょう。
様々な挫折を味わう事によって、心技体は鍛えられるようです。
特に、どのようなことがあっても動じない心や、どのようなことがあっても乗り越えられる力や、どのようなことがあってもその対処方法を冷静に考えられる力が大切だと感じます。

漢方みず堂の「心のセンス」

弊社がお客様に対して、健康になっていただくための6つのセンスというものを示しており、「心のセンス」「技のセンス」それぞれ3つのセンスがあります。
「心のセンス」は、
① お客様の気持ちを受け止めるSense(感謝・素直・謙虚・利他・忖度・恕・気づく・感じ取る)
② 前向きに粘り強く自己研鑽(養生含む)できるSense(プラス思考・熱意・使命感)
③ お客様を健康に導けるSense(健康観、整体観)
肝心な土台はまずはお客様の気持ちを受け止めることができる力。
その次は、自己研鑚できる強さ。単純で、面倒だけれども、その道を目指す時の基礎中の基礎になること。反復練習であったり、野球で言うと単純なランニングであったり、相撲で言うと四股であったりということです。
最後のセンスは専門的ではあるけれども原理原則的な原点をいかに深く認識しているかということ。よく言う、「腑に落とす」と言う事に他なりません。この腑に落ちることがどこまで深いかによって、その人の、人を導いていく力が違ってくるとも言えます。

漢方みず堂の「技のセンス」

「技のセンス」に関しては、ちょっと専門的になりますが、
① お客様の体質が判断できるSense
② 方剤選定できるSense
③ 体質に合わせた養生実践を可能にするSense
まずはそのお客様の体質を見極め、専門用語でいう弁証(西洋医学的に言うと診断)ができること。
次に論治(治療方法)を選ぶことができること。
さらに一番は、「上工治未病(じょうこうちみびょう)」という言葉があり、未だなっていない、いわゆる未病を治す事が最良の医療人。そのための養生をその方その方に合わせて提示し、実践していただくことです。

辛抱こそ幸せの基礎力

「技」については、宮本武蔵の五輪の書でも書かれている通り、鍛錬しかなく、鍛錬の鍛という字は1000日、錬という字は10,000日のことだそうです。つまりはある程度できるまでには3年。達人の域にようやく達するのは、必死にやっても30年かかるという意味にもなります。
一方「心」については、鎌田先生も「人生は我慢が目標ではなく、幸せになることですが、幸せになるためには、ほんの少しでいいから我慢が必要」と書かれています。内容は省きますが、同先生のコラムでは、「コロンビア大学のウォルターミッシェル教授の実験によると、我慢ができた子は、自制心が強く、集中力が強く聡明で自信にあふれ、自分の判断で人生を切り開いていく。失敗しても人間関係をうまく調整し、乗り越える人が多かった。我慢できている子の方が、大人になってからの肥満係数が、大幅に低い傾向があった。」とのことでした。
「心のセンス」における感謝・素直・謙虚・利他・忖度・恕・気づく・感じ取るということがつまりは我慢できるということになるのでしょう。
辛抱という字の「辛」という字にずうっと一本辛抱を貫き、横棒を一本付け足すと「幸」という字になるんですね。
辛抱こそ幸せの基礎力ですね。