症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/27 (金)

冬虫夏草の効果

こんにちは。

 

今日は冬虫夏草のはたらきについてご紹介させていただきます。

 

冬虫夏草は、

「アダプトゲン」

と呼ばれる分類に属する植物の一つとされています。

私たちは現代社会において日々ストレスにさらされ、

様々なトラブルを引き起こしています。

「アダプトゲン」はストレスに対して適応力を高め、

身体を正常化させる働きを有しているとされています。

 

中国医学の最古の学術専門書である「神農本草経」には

365種の薬が、上薬・中薬・下薬に分類されています。

上薬とは、

「生命を養う目的のものである。無害で長期間服用しても副作用はない。これらには身を軽くし、元気を益し、老化を防ぎ、寿命を延ばす薬効がある」

と定義されています。

 

冬虫夏草は、そのアダプトゲンを代表するひとつで、

霊芝同様に上薬に分類されます。

肺と腎を強める働きがあるとされており

肺がんの治療や、

呼吸器の抵抗力や免疫力の増強、

病後の身体の調整・補益に用いられています。

 

中国漢方には

「肺は呼気をつかさどり、腎は納気をつかさどる」

という言葉があり、

呼吸を肺と腎の共同作業とする考え方があります。

つまり、空気を吐き出す(呼気)のは肺の力だが、

吸い込んで(吸気)、下腹部の丹田に納めるのは腎の力だ

としています。

 

喘息や気管支炎の慢性の発作に悩む方の中には、

体力の消耗から、話すのも、息を吸い込むのもつらいという人がいます。

この場合、肺や腎を強化することで、よい結果を得ることが多いのです。

 

冬虫夏草の有効成分には

β-グルカン、亜鉛、セレン他のミネラル類、アミノ酸等

とされています。

そのはたらきとしては、

抗喘息作用、

抗白血病作用、

抗酸化作用、

肝臓保護作用、

コレステロール降下作用、

免疫双方向(調節)作用、

腎臓保護作用、

鎮静作用

があるとされています。

 

参考文献:『アダプトゲン(フレグランスジャーナル社版)』