症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/27 (金)

冬虫夏草の歴史~需要が急増した出来事~

チベットから中国へ

冬虫夏草はその希少性のために古代中国の皇帝、皇族のために確保されていました。

清朝の有名な漢方医学書、呉儀洛の『本草従新』(1757年)には、冬虫夏草は人間のエネルギーを生み出す源で、身体を強壮させると紹介されています。

更にこれより早く、チベットの薬物書「甘露宝庫」(1400年頃)に「体の力と失われた精気を回復させる。すべての身体機能を整え、体力や熱の偏重による病気にならない等すばらしい効果があり、副作用がなく、効能の宝庫である」と記されています。つまり、チベットで薬物として使われていたものが、中国に伝わったと考えられています。

 

市場にあまり出回ることがない冬虫夏草が一時大ブ-ムになったことがありました。

1993年8月、ドイツで開かれた世界陸上選手権で、馬俊仁コーチ率いる中国選手たちが、世界の強豪相手に1500メートルで金メダル、3000メートルで金・銀・銅を独占、1万メートルで金・銀を独占しました。

次いで同年9月に開かれた第7回中国全国運動会では、王軍霞選手が1万メートルでそれまでの世界記録を42秒も縮めた驚異的な走りで優勝するなど、全員で11もの世界新記録を出したのです。

また、同年スペインで開かれた第5回ワールドカップ大会のマラソン競技では、トップから4位までを中国女子選手が独占しました。当時、中国の陸上選手たちは世界的に無名でしたが、この快挙で馬軍団(女子陸上選手団)として話題をさらい、一躍有名になったのです。

その中国チームが科学的トレーニング方法と疲労回復ドリンク(馬コーチが独自に開発した冬虫夏草入り飲料)を飲んでいたことも注目されました。特に肺機能を高め、耐久性を増強し、赤血球を増加させるなど、運動能力を高めるとして、冬虫夏草は馬軍団とともに一躍有名になり、需要が急増しました。

 

漢方薬局なので、以前から冬虫夏草の取り扱いがあり、多くは肺がんの方々に大変人気のある生薬でした。一世を風靡した「アガリクス」でキノコ類全般の免疫UP機能が世間一般に注目されるようになり、冬虫夏草も免疫力を高める生薬として需要が上がり続けています。

 

「知っておきたい冬虫夏草の基礎知識」引用