症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/15 (金)

アトピー性皮膚炎

皮膚病の病名数は1,000種類以上。
その1,000種類の皮膚病を診断していくのは、専門医でも大変だと思います。

皮膚病の場合、西洋医学的には「皮膚の病気」として見ていきますが、漢方では「内に病あれば、必ず外に現われる」という考えがあり、皮膚病を単なる局所的な問題と考えず、全身的な状態の現われと認識します。
 
皮膚病の八綱弁証(はっこうべんしょう)~プロの見立ての重要性~
どんな病気でも漢方を選ぶ際には、大きく2つに区分していくことを、最低3種類します。
この方法を「八綱弁証(はっこうべんしょう)」といいます。
A:体に熱があるための皮膚病なのか、冷えがあるための皮膚病なのか
B:進行状況は?いつからの皮膚病なのか(数年前から?生まれつき?数日前?)
C:現在、患っている方の病気に立ち向かう力の状態はどうか?
この3種類のうち、

Aは、熱か寒か
Bは、表か裏か
‥‥病気が中まで入っている(裏)/まだ表面(表)
Cは、実か虚か
‥‥まだ抵抗力がある(実)/弱々しい(虚)

によって、大きく分けていきます。
代表的な漢方薬
上記の分類だけでも漢方薬は様々に分けられ、その代表的なものは下記の通りです。
  • Aで熱を持っている皮膚病(脂漏性湿疹など)
    黄連解毒湯、清上防風湯、治頭瘡一方、竜胆瀉肝湯 など
  • Aで寒を持っている皮膚病(凍傷など)
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂麻各半湯、荊防敗毒散 など
  • Bで生まれつきなもの、他の様々なアレルギーも合わせて持っている皮膚病
    荊芥連翹湯、柴胡清肝湯、温清飲 など
  • Bで割りと早めのもの、何かでかぶれたときの皮膚病
    十味敗毒湯、越婢加朮湯、香蘇散 など
  • Cで実証の方の皮膚病
    防風通聖散、排膿散及湯、茵蔯蒿湯、大柴胡湯 など
  • Cで虚証の方の皮膚病
    消風散、当帰飲子、黄耆建中湯、六君子湯、十全大補湯 など
 
以上のように、この分類方法(漢方の処方を選ぶ際の分け方)だけでもこれだけの漢方があり、さらには、臓腑で分ける臓腑弁証、気血水でわける気血水弁証があり、さまざまな組み合わせで漢方を選んでいきます。


西洋医学の薬の選び方とはまったく違い、漢方には漢方の選び方があります。
単純に、この病気にはこの漢方というわけにはいきません。

一般のドラッグストアに並べてある漢方薬は、法律的にその効能効果が西洋医学的に2種類書いてあればそれで販売できることになっており、上記のような細かい記載は難しいのが実際です。

漢方を服用される場合はご自分で判断せずに、ぜひ専門のところでご相談を。
 
『アトピー性皮膚炎』を根本から改善するには、漢方薬を
「長年アトピーに悩んでおり、何かいい方法を探している。」
「皮膚科に通ってステロイド剤をもらっているが、塗らないとすぐに痒みが出てしまう。」

アレルギーの代表格である『アトピー性皮膚炎』は、もともとアレルギーを起こしやすい体質の人・皮膚の免疫機能が弱い人に多く見られる「皮膚の炎症を伴う疾患」。

病院で処方される塗り薬だけでは根本的な解決は難しく、漢方みず堂でもご相談いただくことがとても多いです。


漢方相談では、まずはなぜアトピー性皮膚炎になってしまったのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に最適な処方を選んでいきます。

アトピー性皮膚炎のような皮膚疾患を改善するには、漢方薬で内側からしっかり体質改善していくのはもちろんですが、保湿など外側からのケアや、十分な睡眠をとるなど生活習慣・食生活の見直しがとても大事です。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。

漢方みず堂では効果的な漢方薬の処方だけでなく『ステロイド剤の使い方・食事・生活の見直し・スキンケア』まで根本的なアトピー体質の改善に向けて、担当相談員がマンツーマンでサポートしてまいります。
ぜひ一度ご相談くださいませ。