症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/04/10 (月)

【中医学的 春の肌が敏感な理由】

春は“発陳(はっちん)”-デトックスの季節ということは、これまでにも何度かお伝えしてきました。


そして、肌は中医学的に「肺」に分類される機能を持ちます。

皮膚呼吸という言葉もありますが、鼻・喉・肺を通して呼吸するのと同じように、肌も身体の内側と外側で、エネルギー交換や老廃物の排泄を行っています。汗が出るのも、体温調節と同時に老廃物を出す役割を担っています。

そのため春は、内側に溜め込まれた老廃物を、肌を通して外へ発散させようという力が働くのです。


日頃から老廃物の排泄がうまく行われていたり、毒素の元を摂ることが少ない方は、肌不調の波が比較的小さく済みます。

ところが、老廃物や毒素を溜め込みがちな方や、もともとの肌の力(防御力や潤い)が弱い方は、肌からブワッと溜めたものを出そうとしたり、花粉などの刺激で炎症を起こしたりします。


炎症を起こす要因となる、花粉や黄砂、PM2.5の影響を受けやすいのも春。

春は気候的に「風」が発生しやすく、中医学では花粉などのことを「風邪(ふうじゃ)」と呼び、肌のかゆみや乾燥以外にも、目鼻のムズムズ感、鼻水・くしゃみ、咳、頭痛などを引き起こします。まさに花粉症の症状ですね。



この春の波が少しでも小さく、穏やかに治まるように。
これから夏にかけて増す、紫外線にも負けない肌を養うために。

今からでも遅くはありません。
できることから続けてみてくださいね。