症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/01/16 (月)

【カラダが喜ぶ『油』とは?】

☆Point☆
圧搾しぼり(低温圧搾法or高温圧搾法(原料によって異なる))がベスト!
加熱料理には…なたね油、ごま油、オリーブ油
非加熱料理には…亜麻仁油、えごま油、オリーブ油
 
[油の抽出方法]
圧搾しぼり原料を煎るor蒸したあと、じっくり時間をかけてしぼり抽出する方法。原料に合わせて、低温で圧搾する場合と高温で圧搾する場合がある。味がよく香ばしく、ビタミン豊富。天然物質が含まれるため酸化しやすいが、体内での流動性は高い。
化学抽出効率よく多くの油を抽出するために、毒性の高い溶剤を用いて化学処理されている。消泡剤や酸化防止剤などの添加物も多い。高温処理するため油が酸化しトランス脂肪酸なども増え、本来の旨味や香ばしさ、栄養素が損なわれる。
 
圧搾絞りで作られた油は、原料の質の高さと抽出効率の低さのため、化学抽出した油に比べて価格は高め。

でもその分、身体にとって毒になるような成分は含んでおらず、原料の素材そのものが持つ栄養素がしっかり詰まっていて色も鮮やか。


「油は極力控えるべき」と思われがちですが、エネルギー源や細胞膜の原料になるなど、健康な身体を保つには必要な栄養素のひとつ。

やみくもに控えるのではなく、
 ・質のよい油を選ぶこと
 ・油の酸化に気をつけること
を大切に活用すると健康的!
 
[油の種類]
  • なたね油
    なたねを絞ったもの。必須脂肪酸をバランスよく含み、熱に強く、揚げ物、炒め物、煮物などに使用。
  • ごま油
    白ごまを焙煎して、もしくは焙煎せず絞ったもの。香り高く抗酸化物質を含み、酸化しにくいので、揚げ物や炒め物、煮物などの加熱調理にも安心。お汁物や和え物にサッと加えて香りづけしても◎。
  • オリーブ油
    オリーブの実を絞ったもの。悪玉コレステロールを下げ、動脈硬化を予防したり、腸の蠕動運動を高めたり、肌を守る皮脂の材料にもなるオレイン酸が豊富。酸化しにくく熱に強いため、揚げ物や炒め物などの加熱調理や、生でドレッシングやマリネにしても美味。
  • 亜麻仁油
    別名 フラックスオイル。亜麻の種から絞ったもの。不足しがちなオメガ3必須脂肪酸のαリノレン酸を約50%以上含む。酸化しやすく熱に弱いため、ドレッシングやマリネなどの生食に。
  • えごま油
    シソ科のえごまの種を絞ったもの。血流をよくし、がんやアレルギーを予防し、脳の働きを活性化するDHAやEPAを体内で合成するαリノレン酸を約60%以上含む。やはり加熱には向かず、ドレッシングやマリネなどの生食に最適。
○美味しく健康的に油を使うコツ○
油(脂質)にもいろんな種類があり、さまざまな食材自体にも含まれているため、知らず知らずのうちにバランスが偏りがちに。

なかでも必須脂肪酸のひとつ「オメガ3脂肪酸」である「αリノレン酸、DHA、EPA」は含まれる食品が限られているため、積極的に摂りたい油です。


≪オメガ3が含まれる食品≫
αリノレン酸亜麻仁油、えごま油、麻の実油、サチャインチオイル など
DHA、EPAいわし、さば、さんま などの青背魚
  • オメガ3の働き
    精神を安定させ、うつ症状を軽減/血中の中性脂肪、コレステロールを減らす/アレルギー、炎症性疾患を抑える/記憶力や学習能力を高める
 
もうひとつの必須脂肪酸「オメガ6脂肪酸(リノール酸)」は、サラダ油やマヨネーズ、納豆、豆腐、ナッツ類など様々な食品に含まれるため摂りすぎになりやすい油。

酸化しやすく熱に弱く、摂りすぎでアレルギーや炎症、血栓、老化などを促進します。


「オメガ3」と「オメガ6」の割合が「1:4」のバランスで摂ると良いとされています(厚生労働省)。


一方で、「オメガ9脂肪酸(オレイン酸)」は酸化しにくく熱に強いため、オメガ6に代わり使いやすい油。
オリーブ油やなたね油が代表的です。


日頃の食事内容や調理方法に合わせて、選ぶ油を変えてみてはいかがでしょうか。
 
[油の酸化対策]
高温多湿を避け、光の当たらない場所に保存(未開封の場合も)。

オメガ3を含む油は酸化しやすいため冷暗所に保存し、開封後は冷蔵庫で保管。なるべく早く使い切りましょう。

その他の油も、調理中に蓋を開けたままにしたり、コンロのそばに置くのはNG。
別の容器への移し替えも避けましょう。



〔参考資料〕
LMライフ・イズ・マクロビオティック Vol.12 日本CI協会
LMライフ・イズ・マクロビオティック Vol.25 日本CI協会

< 一覧へ戻る