症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/04/21 (木)

7年間続く大きな耳鳴りが、漢方で劇的に改善

長期間の耳鳴り、大きな音の耳鳴り。経験された人でなければ、その辛さは分からないと思いますし、お辛い場面も人それぞれです。
お話を伺っていると、不快な音に慣れることは簡単ではないですし、大切な人の声が聞けないこと、普通にお話ができないこと、誰かに話しかけられても反応できないことなど、日常生活や人間関係にまで影響するとても深いお悩みだと感じています。

これまで多くの耳鳴りでお困りのお客様に対して相談を受けて参りました。
1、2か月ですっかり改善される方、少しずつ変化して途中まで改善された方、全く改善しない方、鳴っているが気にならなく過ごせるようになったという方など、経過は様々です。

耳鳴りに対して有効だったという漢方薬は40種類以上はあります。しかし、体質にピタッと合わなければうまく効いてくれませんし、中にはそれでもビクともしない耳鳴りというものもあると感じます。しかし、耳は一生使うものですので、悪化させないということも大切です。

今回は様々な耳鳴りの中でも印象的なお客様の事例をご紹介致します。
70代の男性
7年前から続く右耳の耳鳴り。インターホンが聞こえないくらいの大きさということもあり、右からの呼びかけには気づかないことも多いとのこと。

これまで数年間、様々な耳鳴りに良いと言われる漢方を試してきたが全く変わらず、ご本人ももう諦めていたご様子でした。

私はそのお客様から帯状疱疹後神経痛の改善の相談を受けていました。この時は痛みを優先しながら、耳も少しは良くなることも少し期待しつつ、両方に良い漢方をお出ししていました。
コツコツ漢方を飲み続けられた甲斐もあり、耳鳴りは相変わらずでしたが、痛みは段々と落ち着いてきていました。あとは、気圧変動による痛みがとれればだいぶ生活も楽になりそうでしたので、お客様とも相談して漢方を変更してみました。それは体表面の血流をよくし、気圧変動に対する肌の防御力を高める漢方薬でした。
悪化したかと思った直後の改善
その後、段々と気圧変動による痛みは軽くなり順調な経過でした。ところが50日後に急に耳鳴りが大きくなったそうです。しかしその次の日には以前の半分ほどの大きさに。その後もさらに音が小さくなって、日常生活ではほとんど気にならないほどにまで改善したそうです。

長年の症状は治りにくく、病の根っこが深くなっていますが、今回は病が浅い場合に使う漢方で一気に良くなりました。少し珍しい例ですが、深いところから少しずつ良くなってきていたところ、漢方の変更により最後のひと押しとなったのではないかと推察されます。

喜びと安堵感に満ちた表情、そしてこれからの生活に希望を見ているような眼差しでお話をされている姿がとても印象的でした。
良くなる力、幸せになる力
その後も耳鳴りは落ち着いたままで、さらに体力もついてきているようで、昼のうたた寝が減り、以前より日中にやりたいことをできるようになったと喜ばれていました。

もう一つ印象的だったのは、耳鳴りがひどい時も、ご夫婦の仲がとても良く、ご来店もいつも一緒。いつも楽しそうに毎月のお二人のエピソードをお話になっていた姿です。

年齢がいくつになっても人間の良くなる力は大きなものだと感じますし、例え耳鳴りがあっても幸せになれる力も備えている。本当にそう感じます。
これからも皆様が備えるこの二つの力を信じて、漢方薬と、それに負けないくらい私自身も薬になれるよう尽力して、多くの方の健康と幸福を応援していきたいです。