症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/11/16 (火)

春のこころとからだ

2月から3月、4月にかけて、徐々に春の日差しが感じられてくる頃。
「最近なんだか眠れないな…」
「なんとなく頭が痛いな…」
「イライラしたり、落ち込んだり、気持ちが不安定だな…」
と感じることはありませんか?

このほかにも、風邪を引きやすい、花粉症、肌荒れ、めまい、耳鳴りなど、急に気になり始めたり、いつもより症状がひどくなったりして、不安を感じたり、戸惑うことはありませんか?

でも、慌てなくても大丈夫ですよ。
そのような変化は、春の季節のせいなのです。

植物が芽吹き、動物が冬眠から目覚めて活動し始める春

漢方で使われる考え方“陰陽”で分類すると、春は、冬の“陰”から夏の“陽”へと転化していく移行期であり、心身ともに活動的に動き始める時期になります。

また別の表現をすると、“浮き足立つ”、“気が立つ”、“ふわふわする”、“上へ外へと発散する”といった、ちょっと不安定な性質をもつ季節でもあります。
実際に、気温の上下が激しくなったり、急に雷雨や突風に見舞われたり、不安定な気候も多いと思います。

 

そんな春の変動に合わせて、私たちのこころとからだにも変化が起きるのは当然、“当たり前に自然”なことなのです。

 

私たちは、毎日仕事や学校に行き、多くの人たちと共に協力して暮らしていくために、一定のルールを決めて、その中で生活しています。
そのため、どうしても「こうでなければならない」「いつも同じ行動・状態でなければならない」と思ってしまいがちです。
それは決して悪いことではありませんし、いろいろな文化や価値観をもった人たちが一緒に暮らしていくためには、ある程度の決まりごとは必要だと思います。

ただ本来、私たち人間も動物であり、“自然”の生き物。システム化されたロボットではありません。
いつも同じ状態であり続けること、いつでも同じ行動をし続けることは、私たちにとって“不自然”であり、大きな負担のかかることなのです。

桜がつぼみを膨らませ、少しずつ花びらを開き、そして満開になり、あっという間に散り、葉を茂らせ、その後枯れていき、そしてまた次の年につぼみを膨らませるように、
私たちのこころとからだも、季節によって変化する、波が出るのは当たり前のことなのです。
何も起きない、ずっと同じ状態であることは、逆に“不自然”なことなのです。

 

ですので、この時期にちょっとした不調が出ても、慌てなくて大丈夫。
それは自然の変化に合わせた、一時的な波であることが多いです。
このような時は、無理をせず早めに寝たり、季節に合わせた養生を行いながら、“あるがまま”を受け入れてやり過ごすことで、また自然と波がおさまっていきますよ。

 

気温変化に合わせて衣替えをしているように、
季節の日の出・日の入り時間が変わるのに合わせて起床・就寝時間を変えたり、
季節の旬のものに合わせて食事内容を変えたり、
気分の波が出やすい春には、ゆったりとリラックスする時間を多めにとってあげるなど、
自然の波に合わせて、自分を変えてみることも、養生のひとつです。
それでもどうしても気になる場合は、漢方薬の出番です。
いつでもご相談くださいね。

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