症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

季節の変わり目に繰り返すめまい・耳鳴り

季節の変わり目に繰り返すめまい・耳鳴り

70代女性の方。

4~5年前、ひどいめまい、ふらつきから倒れてしまった。その時は吐き気もひどく、耳鳴りもひどかったが、2日間寝てとりあえず改善。

しかしその後、年に1~2回の頻度でめまいと耳鳴りが起こるようになった。薬を飲んで2日間くらいでよくなっていたので気にしていなかった所、今回は薬を1ヶ月飲んでも治らない。

季節は4月で丁度暖かくなる時期。大体春と秋と季節の変わり目の時に調子を崩されているようでした。

音は絶えずゴーゴーと聞こえ、このままではノイローゼになってしまいそうとのことでした。

春は肝の季節

春は季節的に『肝』の気が高ぶりやすい季節の為、それによる自律神経の症状などが起こりやすいです。さらにこの『肝』は『風』の影響を受けやすくこの時期、身体の中で『風』が起きやすくなっています。

この方もご家族の事で心配事があり夜も寝つきが悪いと言う事で自律神経と身体の中から起こる『風』によるめまい・耳鳴りが起きたと考えられました。漢方は平肝熄風の漢方を飲んでいただきました。

「風」は急激に変化する

漢方を始めて2週間、音がとても小さくなってびっくりした。

1ヶ月後、ふらふらは時々、音も波がある。

2ヶ月後、きついときはふらつくが、それも時々くらい。耳鳴りは今はほとんど感じない。

実は「風」は急激に変化をもたらす性質があります。逆に言うと、風による病気は早く良くなりやすく、今回の例でもすぐに改善しました。

今は少量で維持しつつ、季節の変わり目などの悪くなりやすい時に量を増やして養生しています。自分の身体の事が徐々に分かってきたことも自信に繋がってきているようです。