症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

生理前にできるあごのニキビ

ピルを止めるとできる吹き出物
昔から生理前にあごの吹き出物がひどくなり、治まる・・・の繰り返し。30代後半からピルを服用し、吹き出物が出来なくなったものの熱っぽい、だるいという副作用も出ていました。
40代に入り、勇気を持ってピルの服用を中止。もう薬に頼りたくないという強い気持ちでした。が、ピルを止めてから、また生理前あごにこもった吹き出物ができてきました。
ホルモンバランスを整える
漢方ではPMSや生理周期に合わせて症状が変化する場合は、ホルモンバランスを整えていきます。
ホルモンバランスは漢方では「肝」と捉えますが、単純に「肝」にトラブルがある場合もあれば、肝とのつながりの深い「脾」にトラブルがある場合もあります。
「肝」の漢方から「脾」の漢方へ
最初は生理前に症状が変化することから女性ホルモンのバランスを整える「肝」の漢方で様子をみていただきました。

1か月ごとにお話を伺うたびに「風邪を引いていました」と言われることが気になり、詳しくお聞きすると、よく胃腸炎になったり、毎年年末は大きな風邪を引き、「せっかくの連休なのに寝込んで終わることが多いんです」と。
そこで補気剤と言われる、エネルギーを補う「脾」の漢方に処方を変更。

夏には風邪を引かずに過ごせるようになり、大きな吹き出物もできなくなりました。

秋ごろは喉の痛みがあったものの風邪を引かず。「肌は乾燥するけど、大丈夫!」生理周期も35日周期が30日周期に整ってきました。

冬になると、いつの間にか年末に風邪引かないことが目標になりました。あごの吹き出物も出来るけど治りも早くなりました。

そして1月。来店されての第一声が「風邪引かずに過ごせました!」と報告を受けお客様と喜び合ったのを覚えています。
「仕事帰りに元気が残っているから寄り道できるようになった。」上司からも「最近、病欠しないね」と言われたそうです。

漢方を始めて1年が経つ頃には生理前の吹き出物は出来なくなりました。そして仕事で夜勤も再開!
1本1本の木(=症状)ではなく森全体(=体全体)を見る漢方の良さを改めて実感しました。