河端孝幸の読む漢方

ダイエットと漢方

食事療法

英語のdietは、日常的な食事(DAY EAT)というのが語源です。diet control(ダイエットコントロール)、diet therapy(ダイエットセラピー[ダイエット治療])の略語として、食事療法を指すように変化し、「糖尿病予防のためのダイエット」、「高血圧治療の一つとしてダイエットをする」というように使用するのが、元の意味からすれば正しいわけです。いずれにしても本来の意味は、食事療法という意味になります。        

漢方薬は自分の体質に合わせた究極の野菜

実際にダイエットということを考えると、食事療法ということなので、食生活を変える事は大切ですが、ここで活躍するのが漢方です。
本来漢方薬の原料というのは、ほとんどが植物で、草根木皮。したがって、野菜と同じと言うことができると思います。そうすると漢方薬は、自分の体質に合わせた究極の野菜と言えます。その究極の野菜を摂ることで体を治す。これこそが食事療法の極みともいえるのだと思います。
実際に今まで漢方薬を使ったダイエットを実施してきましたが、体重ばかりでなく、肩こり、頭痛、鼻炎、冷え症、便秘、むくみ、生理痛、生理不順、腰痛、耳鳴り等様々な症状が改善されてくるのも、漢方薬を使ったダイエットの特徴だと思います。
もう一つのメリットはリバウンドを防げるということ。これも先程と同じように、自分に合った野菜を摂ることで、色々なめぐりが良くなり、太りにくい体に変化するからだろうと思います。

予防薬の王様は上薬

この事からも、漢方薬は、その症状を改善していく事はもちろんですが、どちらかというと、予防の為に服用することが最も大切です。自分の体質に合った漢方薬=予防薬と考えて、少しの量でも、続けて服用される事がよいと思います。
また、漢方薬には上薬という種類の生薬(漢方薬で使われる薬草)があり、それは、①副作用がない②全身に作用する③抗ストレス作用がある④正常化作用(自律神経や免疫バランスなどの調整作用)があるという定義になります。まさに予防薬の王様というのがこの上薬の部類でしょう。個人的にも漢方に携わり四十年弱経ちますが、ずっとこの上薬を使い続けてきているのも事実です。

漢方薬は自分に合ったものを

上薬は誰が飲まれても安全な生薬ですが、通常の漢方薬はそうはいきません。
ダイエットでテレビ宣伝もしており、誰が飲んでも効くようなものは、漢方の専門家として忸怩たるものがあり、警鐘を鳴らしたい想いがあります。そのため敢えて書きますが、漢方薬は西洋医学と違って、頭痛があればこの薬、便秘にはこの薬、血圧はこの薬というように病名で選ぶものではなく、体質で選ぶものです。極端に言うと十人十色です。体質がそれぞれ違うわけですから、それぞれに合う漢方薬も違います。簡単な例を挙げますと、ある人は人参とゴボウと蓮根の組み合わせが良いけど、体質が違う人はレタスと白菜とキュウリの組み合わせが良いというようなもの。この一つ一つの野菜の種類が漢方薬の場合は五千種類程度あると言われ、その組み合わせは日本では二百五十種類弱あります。膨大ですね。ですから正しく専門家の所で自分の体質を見極めていただいて服用することが大切です。春が一番痩せやすい時期です。明るく楽しい生活のためにもダイエットを。