症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/04/16 (火)

【春の土用の過ごし方】

―脾をいたわる―
*少食少飲多動
食欲がない方は、無理せずお腹が空いた時に、消化の良いものを食べられる量だけ。
食欲が異常な方は、とにかくゆっくり、よく噛んで、腹七分目を心掛けて。

食前・食事中の多量な水分摂取は控えめに。
一日の水分量は、一般的には1.5L/日くらいが目安とも。しかし胃腸が弱っている方、チャポチャポしている方にとっては、内臓の負担に。無理して飲まないのが得策です。

身体を動かすことで、気血をめぐらせる肝の働きがのびやかに~。
脾の働きも連動しているので、胃腸症状や精神的なモヤモヤもスッキリ解消されますよ♪
 
*冷たい物は控えめに
脾は冷えると弱くなり、温めると快調に。
気温が上がり、冷たい飲み物やアイスクリームなどを手に取りやすい季節ですが、お腹がビックリしないよう、食べ過ぎにはご注意を。

生姜やシナモン、籾付黒煎玄米など、温性の食材をプラスしながら楽しんでみては?
 
*自然の甘味・苦味、黄色い物を
脾の元気を養う食材としては、自然の甘味や黄色い物がオススメ。
玄米、あわ、もちきび、ハトムギ、トウモロコシなどの穀類や、大豆などの豆類、いも類、かぼちゃなどがあります。

食欲がない方や、デトックスしたい方、肌荒れが気になる方、のぼせやイライラ感が気になる方は、苦味のある食材もプラスすると◎
菜の花、タケノコ、フキノトウ、タラの芽、ワラビ、ウドなど、春に豊富な山菜が助けてくれますよ。
 
*“考える”より“感じる”
考えたり思い悩んだり…頭を使う事は、実は脾に負担をかけています。
もちろん、頭を使う事は決して悪いことではないのですが、しっかり休ませる時間も大切に。

ぼーっと外を眺める。
目を閉じて、耳に入ってくる音を聴き流す。
風、水、タオル、紙、机、毛布など、肌で触れる感触を、ただ感じる。

全身を使って、五感で自然を感じる時間は、お腹も、心も、頭も癒してくれますよ。
 
*早寝早起き
睡眠リズムは、脾の働きをスムーズにするための肝の働き(いわゆる自律神経系)への影響が大きいので、とても大切です。

「春眠暁を覚えず」と言いますが、日の出が早まってきた春は、少し早めに起きて朝日を浴びるのが自然体。
その分、夜はいつもより10分でも早めに寝ることで、内臓を休ませましょう。
 
―“い”のつく物、白い物を食べる―
夏の土用では「土用の丑(うし)の日」に“う”のつく物や黒い物を食べるとよい、とされ、うなぎを食べる風習がありますね。

春の土用では、「戌(いぬ)の日」に“い”のつく物や白い物を食べるとよい、といわれています。
 
  • “い”のつく物
    いわし、いくら、イカ、いちご、芋、インゲン豆 など
  • 白い物
    しらす、大根、かぶ、豆腐 など
 
脾の元気を補ってくれる食材も多く、いちご、しらす干し、かぶは、ちょうど今が旬。
メニューに加えてみてはいかがでしょうか?

ちなみに2024年の春土用の戌の日は、4月16日(火)と4月28日(日)です。