症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2024/01/15 (月)

ヘパーデン結節の強い痛みと腫れには、早めの漢方薬を

60代女性。
10年以上前から手指の関節が痛くなることはあったものの、一時的に腫れても自然に治っていました。

しかし閉経後に痛みが悪化。
60歳ごろから指が曲げられなくなりました。

手をグーに握れない。
人差し指の第一関節の腫れと痛みのため、スイッチを押しても痛みがあるほどに。

生活に不便を感じるようになり、不安を感じて受診したところ、ヘパーデン結節との診断。
以前漢方で持病を治されたことがあり、今回もできれば漢方で治したいとご来店くださいました。


ヘパーデン結節の症状は、できるだけ早期に、痛みが出ている内に治療を行うことが大切。
慢性化し、関節が硬く変形してしまうと、改善が難しくなってしまいます。
こちらのお客様は痛みがある内にご相談くださったので、良くなる希望が感じられました。


中医学的にヘパーデン結節の痛みを紐解くと、水、もしくは血の滞りが原因と考えられます。
この方の場合は、冷え、血の不足、余分な水の滞りが背景にありました。


10年前まではご自身の自然治癒力で回復できていたものの、閉経期でのホルモンバランスの変化などが影響し、ご自身で立て直すことが難しくなっている状態。

再びご自身の治癒力が回復していきますように。
まずは今の辛い症状を楽にしていくため、お体を温めて余分な水分を排出する漢方をお飲みいただくことになりました。
継続するごとに一歩ずつ改善へ
漢方を始められて3日後には、何か良い感じがするとのこと。

3週間後には、まだ波はありつつも痛みがよくなってきている感じがありました。

一緒に良い兆しを感じながら継続していただき、
開始から2か月が過ぎる頃には、痛みで躊躇していたスイッチが押せるまでに回復。
3か月後には、夜のズキズキした痛みがなくなりました。

その後も、
服用5か月でスプレーが押せるようになり、手指の腫れは8割ほど回復。
さらに1ヶ月後には、手をギュッと握れるように。手の赤みや腫れがとれて、見た目にもスッキリしてきました。

服用8か月頃には、手の症状を忘れることがあるほどに。
生活の不便がなくなり、柔らかい笑顔もみられ、私も心からほっといたしました。
ご自身の良くなる力を後押しするのが、漢方薬
現在は、湿度の高いときや指を酷使されたときに腫れることがあるため、漢方の量を調節しながら継続中。
ヘパーデン結節は繰り返しやすい症状でもあるので、一緒に経過を見ながら続けていただくことで、再発を防ぎながら根本改善を目指しています。

またこれを好機に、お身体全体を見直したいとのご相談も。

今後もお身体の変化と上手に付き合っていけるように、お客様ご自身の良くなる力を養っていただくお手伝いができれば嬉しいです。
そしてより健やかに、笑顔でお過ごしいただけますよう、これからも応援させていただきます。