症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/12/12 (火)

干支から占う2023年→2024年

2023年も残すところ約半月。
皆さまにとって、どのような一年でしたでしょうか?

今年を振り返り、また新たな気持ちで新年を迎えられますように。
皆さまと一緒に、干支に込められた意味を読み解いていきたいと思います。
 
おさらい ~「干支」とは~
一般的に知られている「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の「十二支」と、「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」の「十干」を組み合わせた60通りの呼び方を「干支」といい、60年で一巡します。

この「干支」は、漢方の考え方の基でもある東洋思想「陰陽五行説」と関係が深い考え方です。
2023年は癸卯
2023年の干支は「癸卯(みずのとう)」でした。

「癸」は十干の最後にあたり、物事の終わりと始まりという意味。
「揆(はかる)」という文字の一部であることから「種子が計ることができるほどの大きさになり、春の間近でつぼみが花開く直前である」とも解釈できるそうです。

「卯」は「茂」という字に由来することから「春の訪れを感じる」という意味。
また「卯」という字の形から「冬の門が開き、飛び出る」という意味もあるそうです。
2024年は甲辰
2024年の干支は「甲辰(きのえたつ)」。

「甲」は十干の最初にあたり、生命や物事の始まり、成長を意味します。
また甲冑(かっちゅう)の「甲」の文字から鎧や兜を連想させ、種子が厚い皮に守られて芽を出さない状態や、物事に対して耐え忍ぶ状態を表しています。

「辰」といえば竜(龍)。十二支の中で唯一の空想上の生きもので、東洋で権力・隆盛の象徴として親しまれ、身近な存在であったことから干支に選ばれたと言われています。

しかし本来は、二枚貝が殻から足を出して動いている姿を表した象形文字から来ているとか。
原字は「蜃」で、振や伸、震に通じ「ふるえる・成長していくさま」といった意味。自然万物が振動し、草木が成長して活力が旺盛になる状態を表します。
癸卯から甲辰へ
ここ数年を振り返ってみると、2021年に撒いた種が2022年に芽を出し、2023年はつぼみまで成長し、開花間近というところまで来た、という経過を辿っている物事があるかもしれません。

漢方薬を飲み続けてきたら、あと一歩のところまで体質が変わってきた。
こつこつと続けてきたことが、もうすぐ成果として現れそう。
ここ数年なかなか上手くいかず、もどかしい気持ちだったけれど、今年は良い兆しが見えてきた。
等々、人により様々な状況があるかと思います。

2024年は、これまでの頑張りがより大きな成長へと繋がり、ぐんぐん形になっていくかもしれませんね。



一方では、一見すると良くない出来事もあったかもしれません。
これまで水面下で溜まってきた膿が表面化されるように、2023年は大きな組織に関する衝撃的なニュースがいくつも報道されました。

それでも、これは「終わりと始まり」。よい転機として捉えることもできます。
ここで膿を出すことによって、悪しき習慣を一新し、心新たに一から積み重ね、より良い未来を築いていける可能性があるだろうと思います。

「これまでの歪みが体調不良として現れた」という方も、これを機にご自身の身体と向き合い、健康について考える年になったのであれば、2023年は春の訪れだったとも言えるのではないでしょうか。


2023年の気づきをもとに新しい一歩を踏み出し、なかなか芽が出ない中でも忍耐強く継続していく。それが後の成長に繋がる。
そのような2024年になるといいですよね。




中国の前漢について記した歴史書『漢書 律暦志』によると、十二支とは本来植物の成長の過程を表しているとのこと。


いつの時代も明るい出来事ばかりとはいきませんが、
植物の成長において、どの過程も必要不可欠であり、すべてに意味があり繋がっていることを思うと、
一年一年、ひとつひとつの出来事を肥しにして、前へと進む希望を持てる気がします。


2024年も、皆さまにとって素敵な一年となりますように。




[参考資料]
▼ 2024年の干支は「甲辰(きのえたつ)」辰年生まれの特徴は?どんな年になりそう?
▼ 2024年は活気にあふれる芽吹きの年!運気の上がる甲辰の年をどう迎える?