症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/10/18 (水)

漢方薬でできること ―予防/感染時/後遺症―

 
解熱鎮痛剤や咳止め、鼻水や下痢を止める薬など、症状を和らげる薬に頼る方法もありますが、実はそれらの薬では、感染症を治すことにはなっていません。

症状を和らげながら、ゆっくり寝て体を休めているからこそ、自分自身のカラダの働きにより、自然と治っていくのです。

むしろ、薬によって熱を下げたり咳を止めたりすることで、かえって自然治癒を遅らせ、症状が長引いたり重症化に繋がるケースも報告されています。



中国 後漢代の医師 張仲景により、傷寒病(いわゆる感染症)の治療法についてもまとめられている古典『傷寒雑病論』にあるように、漢方薬による感染症の治療には2000年以上の実績があります。

細菌やウイルスの種類にはかかわらず、症状と経過によって適切な処方が選択されますが、どの処方も、カラダの自然治癒を後押しする働きをもっています。


症状が重篤な場合はいち早く病院への受診が勧められますが、
・感染する前
・症状はないが、感染したかもしれない時
・症状が出始めた時
・症状が長引き、スッキリ良くならない時
・治ったと思ったが、後遺症が出てきた時
などは、自然治癒力が発揮されるようにサポートし、症状と体質に合わせた適切な漢方薬を飲むのもひとつ。


予防、感染時、後遺症と、どの段階においても、自然治癒力の発揮をサポートするのが漢方薬。
各段階において考え方や対応方法が異なるので、代表例を挙げながら解説していきます。