症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/09/11 (月)

漢方的エイジングケアの秘訣

エイジングケアがあらゆる不調の予防に繋がる?!
年齢を重ねていくと、身体の変化、ちょっとした不調が気になり始め、「これは老化だろうか?」と不安になったり、情けなく感じたり、諦めの気持ちになったりすることがあると思います。

何十年と働き続けてくれている身体。
疲労がたまり、ときどき悲鳴をあげ、故障してしまうのも不思議ではありません。

漢方的には、元気の「気」の衰えや「血・水」の停滞、「陰液」の不足、また「腎」を主とした五臓の力のアンバランス化が心身の老化に繋がります。

老化を実感しやすいのは肌ですが、実際には血管や脳など、体内のいたる所の細胞に起こる事象。
主な要因である加齢にくわえ、ストレス、飲食習慣、運動不足、睡眠不足、喫煙、紫外線や温暖化などの環境も絡み合うことで、老化の進行を加速させていきます。
 
年齢とともに現れやすい不調
□ 肌のシミ、しわ、たるみ
□ 肌荒れや傷が治りにくい
□ 皮膚や粘膜の乾燥
□ 抜け毛、白髪が増える
□ 卵子・精子の質の低下
□ 生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化など)
□ 肥満
□ 疲れやすい
□ 便秘
□ 筋力の低下
□ 認知症
□ 骨粗しょう症
□ 聴力の低下
□ やる気の低下
□ 感情の鈍化
など
 
エイジング=老化は悪ではない
年齢にともなう老化は、花や草木が枯れていくのと同じように、生きている限りは避けられない自然なシステム。

“老化”というと、老いることに対してマイナスなイメージを持ってしまいますが、歳を取ること、年齢とともに心や身体が変化していくことは、悪いことではありません。
心も身体も、様々な経験や刺激、大波小波を乗り越えて、磨き上げられ、成長成熟していく側面もあります。心身の不調を通して、心が丸くなり、自分の身体を受け入れ、自分をまるごと好きになることもあります。

「人生100年時代」と言われる今、できるだけ明るく元気に健やかに、自分に与えられた時間を全うしたいと思ったとき。
単純に「アンチエイジング」=「老化に抗(あらが)い、若くいようとすること」よりも、
「年齢にとらわれず、変化を受け入れながら、いつまでも美しく健やかであろうとすること」の方が、より自然体な気がします。