症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/08/17 (木)

夏の終わり、お墓参りで想うこと

 
お盆を過ぎ、お墓参りに行かれた方も多いと思います。
休日の関係で、これから行かれる方もいらっしゃるかもしれません。
お墓まで行くのは難しくても、ご自宅でご先祖様を弔うのもいいですよね。


ご先祖様や、先に逝かれた家族を想い、心静かに手を合わせる時間。



いつも見守っていてくれて、ありがとうございます。

私は今、こんなことを頑張っています。応援していてね。

ちょっと辛い事がありました。
でもきっと大丈夫だよね、あなたが傍にいてくれているから。

今しばらくの命を、大切に生きているよ。ありがとう。



直接お話しすることはできなくても、
ふっと顔が、姿が脳裏に浮かび、
温かく見つめてくれているような感覚。

こちらも自然と、いろんなことを伝えたくなってしまいます。



生きていると、嬉しいことも悲しいことも、辛いことも楽しいことも、たくさん巡ってきます。


「この世に生まれ生きること」
「年老いていくこと」
「病にかかること」
「死をむかえること」

この、生、老、病、死、は人間として避けられない苦しみ(四苦)である、
という仏教の教えもありますね。


苦しみ、というと嫌なこと、悪いことのように捉えてしまいますが、
どれも一生のうちに必ず経験することであり、自然なこと。


むしろ、この世に生を受け、さまざまな苦しいこと、辛いことを経験することで、
その度にやすりがけされるように磨かれていき、
見える景色が一段と美しくなり、
人間としての輝きも増していくのだろうと思ったりします。


若さや健康であることは、たしかに良い面もありますが、
それだけでは分からない人の心や人生の面白み、味わいがありますし、
若さや健康に甘んじていると、痛い目に遭うこともあります。
老いや病を経験するからこそ、有難みを実感できたりもします。



もちろん、苦しい最中では、とにかく早く抜け出したいと焦り、情けなくなり、絶望的になるときもあると思います。



そんな時、ふと思い浮かべる、家族の顔や面影。


私に命のバトンを繋いでくれた両親、祖父母、曾祖父母、ご先祖の皆さまもきっと、

私の知らない苦労を経て、

それでも私に笑顔を向けて、

生きる力を与え続けてくれているのだから、

私もきっと、大丈夫。


先祖代々、20代さかのぼると100万人、27代さかのぼると1億人の生命が、綿々と繋がってきた力強い命。


この温かく、力強い命の縁を感じて。

どんなに辛く苦しい時があっても、

必ずそれを凌ぐだけの幸せを感じる瞬間もあるから、

自分に授けられた時間を愛おしんで。



夏の終わり。

あなたの大切な命、
大切な人と一緒に、ありがとう、を伝え合って、
想いを馳せてみるのもいいですね。