症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/07/10 (月)

【2.酵素くんはどこからやって来る?】

作れる量が決まっている“体内酵素”
【1】でご紹介した『消化酵素』『代謝酵素』のグループは、私たちが自分で毎日作り出している酵素くんたち。“体内酵素”といわれます。

一生のうちに作られる体内酵素の量は決まっており、20歳をピークに減少していき、40歳を超えると急激に減少するとか。
一日で作られる総量も決まっています。

そして注意しないといけないのが、『消化酵素』と『代謝酵素』の生産バランス。
生産できる総量は決まっているので、どちらかが増えるとどちらかが減る、ということになります。
 
食べ過ぎると代謝が疎かになる!?
ここで想像してみてください。

生きていく上で代謝活動は欠かせないのですが、食べ物が入ってくると、必然的に消化しなければなりません。

そのため、暴飲暴食や添加物たっぷりの食事を摂った場合、消化酵素くんたちが大量に生産・招集されることに!
その分、代謝酵素くんたちは減員され、正常な代謝活動が疎かになってしまいます…。
 
消化酵素くんたちは最小限の働きで済むように、そしてより多くの代謝酵素くんたちに働いてもらえるように生活することで、美しく健康的に成長し、歳を重ねていくことができるのですね。
食べてサポートする“体外酵素”
実は消化酵素くんに代わって消化を助けてくれる酵素くんたちを、外から補充することができます。
その名は『食物酵素』

彼らは代謝酵素くんのお仕事はできないのですが、消化酵素くんのお仕事ならお任せあれ!
食物酵素くんが代打してくれた分、私たちは代謝酵素くんを多めに生産できるようになります。

彼らは、新鮮な生野菜や果物、お刺身、そして納豆や味噌、ぬか漬けなどの発酵食品に存在。
ただし 45~50℃を超えると働きが弱まり、60℃以上で失われてしまうデリケートな存在です。
 
酵素くんを増やすキーマンは、腸内細菌
もう一つ、私たちの身体の中ではありますが、別の力で作られる酵素があります。
それが『腸内酵素』。私たちの腸にいる腸内細菌が作ってくれているんです。

例えば、ワカメやもずくなど「海藻類にしかない成分」を分解する酵素は、私たちが作る消化酵素くんの中には存在しません。
そう、海藻が食べられるのは、腸内酵素くんの働きのお陰。
海に囲まれた日本人は昔から海藻を食べてきたため、海藻を分解する酵素くんを作り出す腸内細菌が育まれたのです。

「腸内フローラ」といわれるように、腸内細菌はお花畑のようにいろんな種類があるとよいとされますが、腸内細菌が豊富なほど、作り出される酵素も豊富に。様々な消化・代謝活動を助けてくれます。
 
このように毎日の「消化」「代謝」のお仕事は、私たちの体内で日々作られている酵素くんや、食事などから補充される酵素くん、腸内細菌が作ってくれる酵素くんによって行われています。
彼らがいてくれるお陰で、私たちは当たり前のように生きることができているんですね。


ただし、あまりに何気なく過ごしていると、知らず知らずのうちに酵素くんたちが足りない生活になっているかも…。

後編では、
【3】酵素くんたちが足りていないとどうなるのか?なぜ足りないのか?
そして、
【4】どうしたら酵素くんたちを守り、豊かにし、共に生きていくことができるのか?
についてお届けしております。
ぜひご覧ください♪




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