症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/06/23 (金)

頑固な蕁麻疹は漢方で根本改善が有効!

根深い症状を治すには、治癒力の発揮が鍵
肉体疲労を感じ始めてから、蕁麻疹が出るようになってしまったという60代男性のお客様。
病院で処方された2種類の抗アレルギー薬を服用されていましたが、中々効果を実感できず、上半身にできる蕁麻疹で毎日痒みに悩まされていました。

抗アレルギー薬でもあまり効果がないとのことでしたので、相当体内に熱をため込んでいるご様子。
喘息も10年以上前から出ていたことから、以前から炎症が起こりやすく、また炎症がおさまりにくい体質になっていたことが想像できます。

これは根が深そうだ・・・。

蕁麻疹をご経験されている方も少なくないと思いますが、まだ根が深くない場合は、良く寝たり、食事を整えればすぐに治るもの。
これは治癒力が十分に発揮できている証です。

しかし、慢性的なストレスや食事の乱れ、休養不足などで治癒力自体の低下が起こっていると、途端に治りづらくなってしまいます。
西洋薬でも治まらない、または一度治まっても飲まないとまた症状が出てくる、甘いものを食べないように食事を整えても治まらない、良く寝ても治まらない。
これは治癒力低下の証です。

このお客様には、体内の熱を冷まし蕁麻疹が早めに治まる漢方と、治癒力を増して発揮を助ける漢方をお渡し。
もちろん甘いものはできるだけ控えていただきました。
自分の治る力を信じて続けることが、根本改善への最短ルート
3か月ほど服用していただくと、地図状に広がっていた蕁麻疹が点々状に、全体的に小さくなっていきました。
しかし、何かの拍子にまた悪化するという状態。

やはり少し時間がかかりそうだ・・・。

お客様としては、本当に良くなるのだろうかというご不安や、漢方の効果に不安を持つことも多い状況。
しかし、症状の変化に一喜一憂せずに、コツコツと根本改善につながる治癒力を増し続けることで絶対に良くなっていくと、私は感じていました。

「辛抱して、続けていきましょう!」

「続けた人が良くなる人ですよ!」

何度も何度もこのイメージを共有して、信じて服用を続けていただけました。


ご自身の治る力を信じること。
これは、ご自身の治る力の発揮を大きく左右します。


その後、漢方も柔軟に変更しつつ、さらに半年ほど継続。

「蕁麻疹が全く出ない日がありました!」

「全く出ない日が増えてきました!」

「最近は全く出なくなりました!」

ある時を境に、グッと蕁麻疹が減り、その後の安定感も増してきたのが明らかでした。

「しっかり治癒力が発揮されてきましたね!」

その後は漢方を減量しながら経過を見守っていましたが、蕁麻疹が出る気配もありません。

お客様から「漢方薬を中断してみたい。」とのご要望もあり、一旦休薬。

その後、2か月ほど経ちますが、「お陰様で全く出ていません!」と嬉しいご報告をいただけています。少し不安もありましたので、安堵しました。

今後も良好であることを願いつつ、まだ少しだけ心配もありますので、引き続き見守って参ります。


漢方は予防医学でもありますので、治療にも再発予防にも活用できます。
そのような理由から、このように上手に使用すると根本改善が本当に叶うと実感しています。
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