症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/06/13 (火)

【もぐもぐタイムの楽しみ方】

*時間にゆとりを
急いでご飯をかき込む、パンをかじりながら身支度する…はNG。
「食べること」は「生きること」です。

少なくとも15~20分のもぐもぐタイムを確保できると、お腹も心も満足感で満たされます♪
 
*できるだけ食べることに集中
テレビを見ながら、スマホをいじりながら…ながら食べした食事は、どんな味がしましたか?
一つ一つの料理の味付け、食材の味をじっくり味わうと、季節を感じられたり、今日の自分の体調に気づくこともできます。

家族や友人との団らんは、美味しい食事に花を添えるので◎
 
*食べ物に想いを馳せてみる
貝原益軒は『養生訓』の中で「食事をするときの心得」として、[感謝する心-五思-]を挙げています。

・これまで養育してもらった家族や国への恩
・食料を生産してくれる人への恩
・非力な自分が美味しいものに恵まれていることへの恩
・世の中には貧しく飢えている人もいる中で、十分な食事ができることへの恩
・作物や調理法が不十分だった大昔に比べ、食べやすく多様で美味しい食事を楽しめることへの恩

このうち一つでも二つでも、かわるがわる思い浮かべて忘れないことで、その中に日々の楽しみを見つけられるのではないか、と述べています。

「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」を2,3回唱えながら噛むと、一口20~30回。
思い出したときに、ぜひ♪
 
*前後左右の歯を均等に使う
左右どちらかの歯に偏って噛んでいたり、奥歯もしくは前歯ばかりを使っている方も多いそうです。
この偏りは姿勢や顔のゆがみ、ひいては首や肩のこり、腰痛、耳鳴りなどに繋がっているという報告も。

唇を閉じて、できるだけ前後左右まんべんなく歯を使うように意識してみましょう。
痛みがあったり噛み合わせが悪い場合は、まず歯の治療を。
 
*食事中は水分摂取を控えめに
流し込みグセのある方、いらっしゃいませんか?

味付けの濃い料理の場合は特に、飲み物や汁物にすぐ口をつけてしまい、無意識のうちに流し込むことが多くなります。
軟らかい食べ物が増えたことや、ゆっくり食べる時間を取れず、丸のみする方も増えているとか。


このような方は、満腹を感じるまで時間がかかるため食べ過ぎてしまったり、脾胃の虚弱に繋がります。
げっぷや消化不良、便秘、下痢などの症状や、アレルギー疾患を引き起こすことも。

とくにお子様は噛む習慣が身についていない場合もあるので、一緒にもぐもぐ練習を♪


自分の咀嚼と唾液で軟らかくして飲み込むことで初めて消化が促進され、栄養分としてしっかり吸収できます。

軟らかい食べ物や汁物でも一口20回噛むことで、口のアンチエイジングに繋がりますよ。
 
*調理時のポイントは「大きめサイズ」「薄味」
汁物や煮物などに入れる食材を切る時には、噛みごたえのある大きめサイズに。
噛みごたえのある食材を選ぶこともポイントです。

味付けは薄味にすることで、よく噛んで食材の味を楽しめるとともに、喉の渇きによる水分の過剰摂取を予防できます。



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〔参考資料〕
『養生訓』貝原益軒 著 致知出版社
『誰も気づかなかった 噛む効用』日本咀嚼学会 編
『噛むだけでやせる!超健康になる!』マキノ出版ムック