症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2023/04/27 (木)

コロナ感染後の強いかゆみが、漢方で内側から改善!

ご来店の約一年前にコロナに罹患し、激しい消耗により翌月お仕事を辞職されたという60代の女性。

発熱による消耗のため喉が渇くようになり、約半年後には皮膚が乾燥しザラザラ、チカチカ痛く、夜も眠れない程のかゆみが毎日襲ってくる苦痛の日々をお過ごしでした。

病院では蕁麻疹と診断され、本当にそうなのかな~?と疑問を抱きながらも、お風呂上りや動く時にかゆみが酷くなり、ステロイド外用薬と抗アレルギー薬を使用。
いつまで続くか分からないかゆみへの不安があり、根本的な改善をしたいとご来店されました。
コロナ後の消耗による「陰虚」が原因
病気にかかると、人間の身体は元の状態に回復しようと働くため、その分エネルギー(気)や栄養分・潤い(陰液)をたくさん消耗します。

このお客様の場合、コロナ感染による発熱で体の潤いが減ってしまった結果、喉の渇き、皮膚の乾燥等、潤い成分の陰液が不足した状態=「陰虚(いんきょ)」の症状が出ていました。
潤い不足といっても、水を沢山飲めば喉の渇きにも皮膚の乾燥にも良い、というわけではありません。
さらにこの方は、「陰虚」で皮膚を滋養することができなくなり、かゆみが酷い状態、漢方で言う「風(ふう)」が悪さをしていました。
そこで、陰液を補いながら風を取り去る漢方薬と、体を回復させる力を助ける漢方などをお飲みいただくことに。

食事面も非常に大切で、甘い菓子パン等はかゆみを助長させます。
「人を良くする」と書いて食事。
少しでも早く、しっかり良くなっていただけるよう、漢方とともに、和食中心を意識した生活改善に取り組んで頂きました。
人間も自然と同じ、良くなるシステムは備わっている
いつになったら良くなるのか…と不安な日々を過ごされていたお客様でしたが、

一か月後
「かゆみはほぼ無く、とても良い感じです!掻き傷も良い!」
「前は5時間だったのが、今は7時間も良く眠れます!」
「喉の渇きも気にならず、お風呂はゆったり入れています!」

三か月後
「ステロイドはもう使用しておらず、塗り薬は保湿剤だけです!」
「抗アレルギー薬ももう飲まなくて良さそう。」

今までかゆみでやる気が起きなかった書き物が出来るようになり、元気にジムにも通われてニコニコ幸せそうでした。
不思議なもので、身体にはバランスを崩すと良くしようと働く力があります。
これを「自然治癒力」と言います。
自然界でも、樹木・火熱・土壌・鉱物・海川がお互いに、不足すれば補い合い、行き過ぎれば制御し合ったりして、バランスを取りながら維持しているのと同じですね。

そして、自分の体の状態に合う漢方薬や、日々の食事、運動、睡眠などの生活習慣を整えることは、この「自然治癒力」の発揮を助けてくれます。

自然治癒力は皆持っている力、だから大丈夫!
ぜひ自信を持ってお過ごし頂けると良いなと思います。
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