症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/10/10 (月)

『手作り』の煎じ薬で、良くなるパワーUP!

皆さまが毎日飲まれている漢方薬。
煎じ薬、粉薬、粒のタイプなど、いろいろあると思います。

その中で最も多くの方が飲まれているのが、煎じ薬。


毎日コトコト30分。
土瓶や土鍋、煎じ器などで煮出し、
「あ~いい香り~」
「あ~美味しい~」
「身体にしみる~」
もしくは
「うぅ~まずい~」
「良薬は口に苦し、良くなれ~」
など心の中でつぶやきながら、
大事に飲まれていることと思います。
 
―煎じ薬お渡しまでのウラ側―
 
皆さまにお渡ししている煎じ薬。

ガラス越しに見られた方もいらっしゃると思いますが、毎日、薬局内で手作りしています。
 
(1)生薬を量る
ひとつの煎じ薬を構成する、数種類の生薬(植物の枝葉や鉱物など)。

まずはそれらひとつひとつを間違いなく、正確に量り取っていきます。
中には20種類以上の生薬を組み合わせた処方も!


色とりどり、香りもさまざま、形や手触りもいろいろ。
お互いに効果を高め合ったり、毒性を弱めたり…
最も安全で効果的に作用するようにと考えられた配合になっています。


これら生薬は、品質・安全性の厳しい検査を合格したもののみ使用。
安心と信頼で、毎日お飲みいただくためにも、決して譲れない条件です。
 
(2)均等に分ける
それらひとつひとつの生薬を、作る包数分並べた容器に均等に分けていきます。
 
 
匙(さじ)を用いて撒いていくこの工程では、

「〇〇さまの症状が和らぎますように…」
「〇〇さまが元気に過ごせますように…」
「〇〇さまにコウノトリが訪れますように…」

とくに想いを込めて、丁寧に。
でもスピーディに、リズムよく行います。


もちろん、ここでも
・配合する生薬の確認
・生薬の状態の確認
・配合バランスの確認 など
正確さ清潔さのチェックも抜かりなく。
 
(3)煎じパックに入れて完成
 
全ての生薬を分け終えたら、
ひとつひとつの容器から一枚一枚の煎じパックへ。
一包一包の重さを確認し、微調整していきます。


煎じパックが茶色い理由は、漂白剤不使用だから。
質のよい生薬から質のよいエキスを煮出すには、やはり質のよい安全な煎じパックが必須です。


重量確認後は一包一包封を閉じ、包数を確認しながら袋へ。
ここも、お渡しする数に間違いがないように、かつ美しく、取り出しやすいように入れていきます。


最後に、同じく心を込めてお名前など記入した袋の中へ。
良くなるパワーをたくさん詰め込んで封を閉じ、お一人お一人にお渡ししています。
 
―『手作り』に込めた想い―
今回は煎じ薬をご用意するウラ側をご紹介しました。


世の中には、煎じ薬をパック詰めする機械もありますが、あえて『手作り』することを大切にしています。

それは、
漢方薬を作ることは単なる「作業」ではなく、
お客様の良くなる力を引き出すために「私たちにできる大切な役割のひとつ」だから。


目に見えない「気」の力を大切にする漢方。

気持ち、想い、愛が込められたものは、味も効き目もより良くなると思います。
そう、お母さんのおにぎりのように。


さらに手が込んでいるほど、そこに込められるパワーはより強く、想いはより深くなるのではないでしょうか。

皆さまが毎回、手間暇かけて煎じ薬を煮出し、じっくり味わって飲まれているのと同じかもしれません。
 
 
「なんだか今日は気分がすぐれないなぁ」
「ちょっとしんどいなぁ」

そんな時こそ袋を開けて、
コトコト30分 漢方を煎じて、
ゆっくり飲んで、
相談員やスタッフを思い浮かべ、
笑顔になっていただけると、私たちも嬉しいです♪