症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/07/12 (火)

7月23日は 土用の丑の日

『土用の丑の日』といえば うなぎ。
夏バテ予防に精力をつけておこうと、召し上がる方も多いのではないでしょうか。
そもそも「土用」って何?
「土用」とは暦のひとつで、中医学とも関わりの深い五行説に由来しています。
一年を季節で分けると春夏秋冬の四つですが、それぞれの季節の間、立春・立夏・立秋・立冬の直前約18日間を「土用」としています。つまり、季節の変わり目の準備期間になります。
土用のカラダ
土用の期間は土の神様が支配しているので、土を掘り起こしてはいけないとか。
中医学的には、とくに脾(胃腸)をいたわりたい期間です。

人間にとっての脾は、自然界でいう土壌。
エネルギー源・栄養源を作り出し、分け与えてくれる大切な役割を担っています。
脾の元気を維持することは、自らの健康を維持することに繋がります。

この期間は季節の変化に対応できず、前の季節の疲れが出たり、ここでの不摂生が後々影響しやすいので、無理をしないことが大切です。
夏の土用
夏の土用は、立秋直前の期間。7月20日から8月6日になります。
ちょうど梅雨から夏の疲れが出やすかったり、暑さから食事の偏りも出やすかったりする時期。
でも夏本番はこれから。まさに夏バテ予防のために過ごし方を見直すときですね!
夏の土用の過ごし方
脾をいたわる
梅雨から続く湿気や、暑さで摂る機会が増えた冷たいものによりダメージを受けている脾。

土用の期間は、脾の夏休み。
次のことをちょっと意識して、脾を保養してあげてくださいね。

・アイスクリームやかき氷はお休みする
・とにかくよく噛んで食べる(※麺類はとくに!)
・食欲がない時はお粥や甘酒を
・昼間は動いて汗をかき、夜は早く寝る

夏バテ予防に効果的なので、土用が明けても覚えておくとよいですよ!
「う」のつくものを食べる
うなぎに限らず、「う」のつくものを食べると病気にならない、という昔からの言い伝えがあります。
梅干し、瓜、うどん、牛肉(うし)、馬肉(うま)など、食欲が落ちていても食べられそうなものから、スタミナのつきそうなものまで…。土用しじみ、土用餅と呼ばれるものもあるそうです。
お好みに合わせて、風習を楽しみつつ健康を祈るのもいいですね♪
その他…
*暑中見舞いを出す
(日頃の感謝といたわりの気持ちを込めて)
*衣類や書物の虫干し
(カビや虫の害を防ぐために風通しの良い日陰にさらす)
*梅干しの天日干し
(殺菌作用が働き長期保存が可能に)
*薬草風呂に入る
(解毒作用のあるドクダミはおすすめ)


皆さまの健康を祈って、よい土用をお過ごしくださいませ♪