症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/03/14 (月)

【“独り”ではないからバランスを取れる】

少し話は戻りますが、リンゴに限らずさまざまな果実、野菜、草花、虫、動物が、とても大きな生態系の中でお互いに協力し合ったり抑制し合ったりして、全体としてのバランスを保ちながら生きています。(木村さんのリンゴが元気になったのも、生態系の中で調和し共生できた結果でした。)

どんな生き物も、また海山川も、予期せぬ抗えないような災難に遭いながらも、意識せず手を取り合うようにして生きています。


私たちも、なんでも独りでやらなきゃと背負い込みすぎなくていいのかもしれません。

夜になったら寝て、太陽が昇ったら起きてパワーをもらい、空気を吸ってエネルギーを注入。地元で採れた穀物や野菜、肉魚などをいただき、誰かの幸せを祈ってできることをする。

いつも支えてくれて「ありがとう」。できなかったり間違えたりしたら「ごめんなさい」。


そんな風に、自分独りでできることは限られているけれど、いろんな人や生き物、自然と共に生きているから、うまくバランスがとれて成り立っている。


足りないところを助け合う“しなやかさ”
自分の使命をやり遂げる“強さ”
この二つを活かせると、優しい“バランス力”が生まれるのでは。


そんなことを感じていると、自ずと自分の中にある自然治癒力がじわじわと湧き上がってくるのを感じます。



[参考文献]
『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』
石川拓治 著 NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班 監修(幻冬舎文庫)


▼関連ページ
私たちが考える根本改善
漢方を知る『病気との向き合い方-人はなぜ病気になるのか・整体観』