症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/01/14 (金)

高齢者の不眠症の改善例

お客様背景
・81歳の女性
・眠れないときが多く10時~11時には床に入るが、寝付けなくて2時くらいまで起きている。
・病院の薬を飲んでも眠れない。
・ひどくはないが咳がちょこちょこ出る。乾燥したときは特に。
・ふだん疲れていて、あまり動けないし動きたいと思わない。
・足がほてる。特に夜に。
・口が渇く。そしてよく水分を取るが、冷たいのがいい。
・食欲、お通じは普通。
・残尿感が時々。家ではしょっちゅう行くので頻尿かな?と思っている。
漢方的解説
典型的な「腎」が消耗して「陰虚」になっている状態です。

寝付きが悪い/咳が出る/足がほてる/口が渇く

これは全て体に火が起こっている状態です。その火を消したくて、冷たいものが欲しいということなんですね。

こんな時は漢方では「腎」を補うものの中でも特に「陰」を補う「補陰剤」というものを使い熱をしずめていきます。
経過
補陰剤の中でも特に下半身の熱症状をとる漢方を飲んでもらいましたが、これはとにかく苦い!
大丈夫かな?と心配していましたが、返ってきた言葉は、「あれって少し甘いですよね」・・・?不思議と漢方は合えばおいしく感じると言います。

身体に合うと改善も早く、2週間目で身体が軽くなり、肌の調子も良くなったみたいで、友達から「化粧品変えた?」「何か若くなったね」と言われるくらいに。ほてりも軽くなり、咳も回数が減るように。
1か月後には足のほてりは2~3日に1回くらいに。血液検査の数値も全て正常範囲に。
眠剤を飲んでも眠れなかったのがぐっすり眠れるようになり、途中起きてもまた眠れるように。いつの間にか週4日は外出して動き回って疲れる。でも、翌朝元気に!
現在は足のほてりもなく、咳もほぼ消失し元気な毎日を送っています。