症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/01/10 (月)

急性期の冷え・痛みを和らげる漢方薬

慢性的な症状には根本的な体質改善が一番ですが、急性期の症状を緩和する漢方薬も活用できると嬉しいですよね。ここではその一部をご紹介します。
冷えに
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
自分で体を温める力(陽気)が少ない方の、風邪のひき始めの悪寒に使われることが多いです。
構成生薬の附子が、陽気を助け寒さを取り除いてくれます。
 
痛みに
葛根湯(かっこんとう)
冷たい風(風寒邪)にさらされて、頭部から首、肩の辺りが張ったような痛みを感じる場合に使われます。
 
麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)
汗をかいたまま冷たい風にあたり冷えたことで、筋肉や関節が痛む場合に使われます。
とくに夕方、発熱とともに痛みも悪化するのも特徴です。
 
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
こむら返りの漢方として有名。
四肢や腹部の筋肉のけいれん性の痛みに効果的です。
 
安中散(あんちゅうさん)
「お腹(中)を安らかにする」と書いて安中散。

市販の胃腸薬にも配合されている処方ですが、胃腸の痛みだけではなく、下腹部から腰辺りの痛み、生理痛にも効果的。
温めながら痛みを和らげてくれます。
 
折衝飲(せっしょういん)
とくに血の巡りが悪く痛みが出ている場合に使われることが多いです。

血を巡らし痛みを止める紅花や延胡索などが配合され、生理痛や排卵痛、腰痛、腹痛などに効果的です。



解熱鎮痛剤の服用は痛むときだけであれば大丈夫ですが、短期間でやめた方がよいです(【正気を高める養生~薬は必要最小限に~】)。
頻繁に飲んでいるという方は、根本的な体質改善をしながら、痛みを和らげる頓服の漢方薬を併用する方法も試してみてはいかがでしょうか。
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