症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/01/05 (水)

ひどい偏頭痛が改善した頃に妊娠

37歳の女性、せかせかとしたご様子で腰掛け、「偏頭痛がひどいのですが、どうにかなりませんか?」と、そのお顔には力が入っていて、なんだか何かに負けまいとしているような印象を受けました。お話の最中も落ち着かないご様子。お伺いすると、2歳と小学生のお子さんを抱えながら、お仕事もとても忙しく頑張っていらっしゃるとのこと。
首から背中までこわばり、疲れているのにぐっすり眠れない。食いしばりで起きてしまうこともしばしば。
休むべきときにしっかり休めない。もどかしさが痛いほど伝わってきました。
他にも、足の冷え、寝汗、疲労時の立ちくらみ、アレルギー性鼻炎、食前の胃痛などの症状がありました。
毎日の鎮痛剤
頭痛の引き金になるのは、天気の乱れや疲労、睡眠不足等。ほぼどれかに当てはまるので毎日のように鎮痛剤を飲みながら痛みと戦っていらっしゃいました。
また、そんな中でもお子さんをもう一人望んでいて、タイミングをとってはいるけれどなかなか・・・とのこと。まずはご本人の心身がほぐれないと!とお話し、肝気の滞りをほぐす漢方をお出ししました。
心と体がほぐれた頃、ご懐妊
飲み始めて1か月。「仕事も子育ても変わらず忙しいけれど、なんだか良いかも!」とのこと。夜はしっかり眠気が来て、ぐっすり眠れるようになり、それに伴って日中のだるさもなくなってきました。そしてさらに驚いたのは、ほぼ毎日手放せなかった鎮痛剤を、1度しか飲まなかったこと!1か月間でこれだけの嬉しい変化に、ご自身も驚かれているご様子でした。少しほぐれたような笑顔も見られたので、私もホッとして、本当に良かったと思いました。
それ以降も、いつも「順調です!」のひとこと。相変わらずお忙しいようですが、気になっていた症状もほとんど取れ、毎日元気に過ごせているようでした。
そして飲み始めて4ヶ月目に入ろうとする頃、なんとも嬉しいご報告が!なんと新しい命を授かりました。きっと、お母さんの心もからだもほぐれた今ならきっと大丈夫だろうと、赤ちゃんが来てくれたのだなと思いました。
貧血予防の漢方で順調
いつも妊娠中は貧血になってしまうとのことで、十分に血を補う漢方に切り替え、続けていただいています。つわりでなかなか漢方も飲めないこともありますが、今のところ体調も良好!大切な命の誕生が待ち遠しいです。これからもすくすくと育ち、可愛いお顔を見られる日を心から楽しみにしています。