症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/12/09 (木)

【お餅・お雑煮】

もち米
性味 甘/温
帰経 脾・胃・肺
主な働き 脾胃(胃腸)を元気にする。冷えによる下痢を止める。頻尿やだらだら出る汗を止める。
お腹の中から温めて元気を補ってくれるもち米。

冬は特に食べる機会が増えますが、粘りの強いお餅は消化吸収が遅く、小さいお子様やご高齢の方は食べ過ぎにご注意を。
逆に胃腸の働きを弱めてしまいます。


江戸時代に85歳まで健康体で長生きしたという貝原益軒が書いた『養生訓』では、
「胃腸が弱い人や老人は、餅・団子・饅頭の類で、冷えて硬くなったものを食べてはいけない。消化に時間がかかる。」
「蒸したものより煮たものの方が消化されやすい。餅はついてから数日過ぎてから食べるのが適している。」
とあります。

つきたてのやわらかいお餅も美味しいですが、お雑煮やぜんざいで頂く方が胃腸には良さそうです。

温める性質があるので、赤いニキビや赤みの強い皮膚症状、のぼせ、黄色い痰が出る方は控えめに。
 
鶏肉
性味 甘/微温
帰経 脾・胃
主な働き 脾胃(胃腸)を温め、働きを助ける。気血を補い、疲労を回復する。腎の機能を回復し、生殖機能を高める。
関東ではお雑煮に入れることが多い鶏肉。
年末の慌ただしさにお疲れ気味の方も、元旦は鶏肉のお雑煮で栄養補給してお腹を元気にできそうです。

皮に豊富なコラーゲンは、髪や肌を潤し、骨の老化を防ぎ、目の機能を高めてくれます。
 
里芋
性味 甘・辛/平
帰経 胃・大腸
主な働き 脾胃(胃腸)の気を補う。胃や腸の粘膜を保護し、丈夫にする。腸内の老廃物を排出する。
里芋は関西のお雑煮の具材として有名。
年末の暴飲暴食による胃腸疲れを回復してくれます。

特有のぬめり成分ムチンは、血中コレステロールを下げたり、肝機能を高める作用も。
 
牡蠣
性味 (身)甘・(殻)鹹/(身)平(殻)微寒
帰経 肝・腎
主な働き (身)身体・肌を潤し、血を補う。血行をよくし、生理不順や生理痛を和らげる。(殻)精神安定、のぼせの解消、多汗の緩和、腫瘤の軟化など。
私の出身地 広島では、牡蠣のお雑煮が定番。
慢性疲労や不眠、貧血などに効果的な亜鉛、マグネシウム、銅、鉄分などのミネラルが豊富。肝臓の機能を助けるグリコーゲンやタウリンも含まれ、飲酒の機会が増える年末年始にぴったり。

漢方では、イライラや不安感、体液の漏出、しこりなどに殻(ボレイ)を使用します。
 
ぶり
性味 甘・酸/温
帰経 脾・肝・腎
主な働き 脾胃(胃腸)を温め、元気にする。気血を補い、めぐりをよくする。陰液(身体の潤い)を補う。
ぶりを入れることで有名な博多雑煮。
冬の寒さで低下した胃腸を温め、元気にしてくれます。

DHA・EPAが多く含まれ、年末年始の脂っこい食事や運動不足でめぐりの悪くなった血液の流れも改善してくれるかも。
生命エネルギーの源「腎」を補うので、アンチエイジングを願っていただきましょう。



〔参考資料〕
『養生訓』致知出版社 発行