症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/15 (金)

流産・死産を経て

漢方で考える不育症・流産
妊娠すると、赤ちゃんは子宮の中で栄養をもらいながらすくすくと大きくなりますが、その時に栄養の通り道となるのが衝脈・任脈です。衝脈・任脈がきれいな血で満たされていれば生理も順調であり妊娠しやすく、妊娠中は赤ちゃんへの栄養供給もしっかり行うことができます。一方で衝脈・任脈が空虚な状態になると、生理不順や不妊・流産に繋がりやすくなります。

さらに「帯脈」という経脈も妊娠維持に関係します。腰・お腹周りに帯状に通っており、弱っていると帯下(おりもの)に影響が出たり、妊娠中は赤ちゃんをとどめる力が発揮できなくなります。
妊娠と関連の深い「衝脈(しょうみゃく)」・「任脈(にんみゃく)」
よく経絡というのを耳にしますが、経絡とは経脈と絡脈のことです。

経脈:体の深いところを通り、臓腑を結び付ける。「十二経脈」と「奇経八脈」がある。
絡脈:体の浅いところを通り、筋肉・皮膚と連結している。

「ツボ」はこの経絡の上にある無数のポイントです。
いわゆる五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)に直接もしくは絡んで連結しているのが、「十二経脈」で気血の通り道です。
十二経脈を統率・連絡・調節するのが奇経八脈です。十二経脈の気血が余れば奇経八脈に蓄え、不足すれば補充します。

子宮は漢方では「奇恒の腑」と言われます。
脳や髄も奇恒の腑と言われます。
形態は中が空洞で「腑」のようだけれど、働きは「臓」「腑」両方持っている独特の器官です。

子宮と密接な関係にあるのが、「奇経八脈」のうちの衝脈と任脈です。

衝脈(しょうみゃく):血の海とも称され、生理と密接な関係。子宮→会陰→上って頭部/下って足に分かれる。
任脈(にんみゃく):任は妊と同じ意味。妊娠と密接な関係。子宮→会陰→腹部→胸部→咽喉→唇→眼窩を通る。

臓腑の失調、気・血・津液の失調を整え、さらにそこから子宮までの通り道である衝脈・任脈の二脈の損傷を修復し補うことが生理を整え妊娠を目指す時には重要になってきます。
お腹の赤ちゃんを育てるために必要なこと
①気血を補う
お腹の赤ちゃんにしっかり栄養を届けるには、その栄養となる「血」と届けるためのエネルギー「気」が必要です。そして「気」は赤ちゃんを子宮内にとどめる力でもあります。
疲れやすい、息切れ、動悸があったり、妊娠中に下腹部の重たい・下がる感覚、シクシクした痛みなどを感じる方は、気血を補うことが大切です。
②腎気を固摂する
「腎」は私たちの生命エネルギーを蓄えており、生殖機能にも深く関係しています。腎の気はまさに“蓄える・納める・固摂する”という役割があり、妊娠においては赤ちゃんをお腹の中に納めて栄養を与える働きを担います。
足腰のだるさ、下半身の冷え、頻尿などがある方は、腎気を補うことが大切です。
③脾胃を健康にする
「脾」は私たちが飲食したものから気血を作り、全身へ供給する働きがあります。また脾の気は内臓を持ち上げあるべき所にとどめる力を担っています。妊娠においては、赤ちゃんに十分な栄養を届ける、そしてお腹の中にとどめるという点で重要になります。
もともと胃腸が弱い方は、脾を立て直すことから始めるとよいでしょう。
『妊娠・出産しやすい体づくり』には、漢方薬を
妊娠した喜びの後の悲しみ、苦しみ、悔やみ…。とても辛い時間を過ごされている方もいらっしゃると思います。
ただ決して、ご自身を責めないでくださいね。
妊娠したこと、お腹の中に命を宿したこと、そんな奇跡を起こせたお二人の力を、まずは信じてあげてください。

「妊娠する」というだけでも私たちの身体はかなりの気・精(パワー)を必要とします。
赤ちゃんは綺麗な血の集まりなので、多くの血も必要です。

流産後まずはご自身の心身をたっぷり滋養していたわってあげることが大切。
お一人お一人に合わせた漢方薬で、心身を回復してあげましょう。

漢方みず堂では、上記のような考え方をもとに、お一人お一人のお体の状態に合わせて漢方薬をお選びしております。
また心の状態や日々のお食事・睡眠も、赤ちゃんを授かる上でとても大切なこと。
その都度お気持ちや状況をお伺いしながら、漢方薬とともにできる養生法などもお伝えさせていただきます。
奥様もしくは旦那様だけのご相談はもちろん、ぜひご夫婦でご相談いただくことをおすすめしております。