症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2026/07/21 (火)

暑気を払って夏を乗り切る

一年で最も太陽が元気になる季節。
その太陽に向かって、黄色いヒマワリが一生懸命に花を咲かせ、
トマトやキュウリ、トウモロコシ、スイカなどの夏野菜もキラキラと色鮮やかに実ります。
さらさらと流れる川の音を聞くだけで、どこかで風鈴がちりんちりんと鳴るだけで、
暑い中にも、涼しい風を感じる気がします。


暑さを感じるからこそ、雨水や風の有難さが身にしみるような
陽の光があるからこそ、木陰の有難さが身にしみるような
夏があるからこそ、秋や冬が待ち遠しくなるような
その逆もまた然りですね。

私たちの身体は、暑い夏にエネルギーを養うことで冬の寒さをしのぎます。
また汗をかくことで、過剰な熱を逃がしています。
食欲を落とすことで、疲れた胃腸を休めています。
少し不快に感じる身体の変化も、
自然とともに生きるために順応する力が働いているから。
そのことに気づくと、
「私の身体はよく働いてくれているな。ありがとう。」
という気持ちも湧いてきます。


心も身体も活発に動いた後は、
ちょっとひと休みをして、
夏は夏にしか感じられない、自然や身体の変化を感じて、
そのように変化しながら生かされていることに感謝する。
気温とともに高ぶっていた心が、
いつの間にかスーッと落ち着くのではないでしょうか。

心が涼んだら、身体の暑気払いもしていきましょう。
身体の暑気払い
冷たい風にあたったり、冷たいものを食べたり…という涼み方ばかりしていると、
夏バテなどの不調につながってしまいます。
暑さの中にあるパワーを補いながら、過剰な熱は冷ましてあげるような感覚で、
身体の外側と内側からバランスをとる過ごし方をいくつかご紹介しますね。
外側からバランスをとる
*いつもより早めに起きてみる
夏の太陽は早起き。一緒に起きて、パワーを分けてもらいましょう。
涼しく、澄んだ空気を胸いっぱいに深呼吸すると、気持ち良く一日がスタートできます。

*適度に汗をかく
夏は動いて汗をかき、内側で活発になっているパワーを発散させることで、
より心と身体の巡りをよくしていきます。
暑いからといって涼しい所でじーっとしているだけではなく、適度に動いて汗をかきましょう。
汗をかいた後にスッキリするくらいが目安です。

*汗をかいたら、涼む前にふき取る
身体の熱を逃がすためにも、汗をかくのは大切です。
ただ汗でぬれた状態で冷房などの冷たい風に当たるのは危険です。
汗をかいている時は毛穴が開きっぱなしで、身体も無防備な状態。
漢方でいう“風邪(ふうじゃ)”“寒邪(かんじゃ)”“湿邪(しつじゃ)”が身体に侵入しやすいので、
風邪や身体の痛み・しびれなどの不調につながります。
こまめにふき取ってあげましょう。

*部屋を冷やし過ぎない
日中も夜寝るときも、安静にしていて汗をかかない程度の空調温度に設定しましょう。
雪山で凍えると身体の動きが鈍くなるように、冷やし過ぎは体内の臓腑の働きを低下させます。
また室内外の気温差が大きすぎると、体温調節をするために身体のエネルギー“衛気(えき)”を消耗し、
夏バテの原因になります。

寝ているときは汗もかき、特に無防備な状態。風が直接体に当たらないように調節しましょう。
内側からバランスをとる
*冷たいものは控えめに
冷たい飲み物をガブガブ飲んだり、毎日アイスを食べていませんか?
身体は暑いと感じていても、冷たいものの摂り過ぎで身体の内側は凍えている状態になります。
胃腸が冷えて働きが低下し、食欲低下や下痢など夏バテにもつながります。
水分補給は常温以上のものを、少しずつ、こまめに分けて飲むようにしましょう。

冷たいものを摂るときは、時間をかけて。アイスを食べた後は温かいものを摂りましょう。
冷えすぎを防ぐため、お味噌汁や紅茶などに生姜を入れるのもおすすめです。

*ほどよい苦味で熱を鎮める
漢方的に夏は「心(しん)」が活発になり熱を帯びやすい季節。
「心」は心臓だけではなく、意識や精神、思考などの働きを含みます。
その「心」の栄養となり、過剰な熱をしずめるのが適度な“苦味”です。
ゴーヤやピーマン、みょうが、緑茶などの苦味が、内側からスーッと暑さを鎮めてくれます。

体のほてりや、カッカして眠れないような熱感が気になるときは、冷たいものよりも苦味をぜひ。
きゅうりやトマト、スイカなどの夏野菜も、熱を冷ましたり潤いの補給になるのでおすすめです。


暑い夏は体力を消耗しやすいので、体力を補うことを意識しましょう。
冷たいもので胃腸も弱りやすい為、消化に負担のかかる、がっつりとした味の濃いものよりも
胃腸にやさしく、あっさりとした味付けの方がおススメです。
エネルギーを補うお米や山芋、じゃが芋、カボチャ、枝豆、豚肉などを、
旬の野菜や果物などと組み合わせて、いずれもバランスよく摂ることが大切です。

夏の野菜を上手に取り入れて、この季節を乗り切りましょう!
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