症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2020/11/27 (金)

様々な年代の不安感が良くなった例〜受験生、子育て中のママ、高齢者〜

受験生の自律神経失調症

一年前の夏に部活でトラブルが起きてから何となく気力がわかない。12月の引退まではどうにかこうにか乗り切ったが、そのぐらいから学校で胸苦しさや、息苦しさ、圧迫感、突然理由もなく襲ってくる悲しい気持ちや不安感を感じる様になり、それはどんどん酷くなってきた。

病院にもあちこち行って色々な検査も受けたが異常は無しという結果。整体にも行ったが全くと言っていいほど効果が無かった。

高校3年生で受験まで時間はあと少し。小さい頃から高校まで大好きで続けてきた趣味を、大学でも更に学びたいという目標。今が一番大切な時期だと頭では解っているのに身体と心がついて行かない。

言葉数は少ないものの、「良くなりたい!」というはっきりとした意志。その気持ちがあればきっと大丈夫だと感じたことを覚えています。

漢方では心の火を鎮める

テストの前、ドキドキしたり、緊張して手汗が出たり、というのは誰しも経験があると思います。そこに元々の内向的な性格や、ストレスの強度、虚弱体質などが加わると、そのドキドキはさらにエスカレートして、息苦しい、圧迫感、どうしようもない気分の浮き沈みなどが出てきます。この状態を漢方では「心火旺」と呼び、心にボヤが起きていると考えます。特にまだまだ未成熟な子供や思春期の体はちょっとしたことでバランスを崩しやすく、実際学生さんの自律神経失調症のお悩みは非常に多いものです。

一方で、歯車が合いだせばみるみる元気になるのも若さの特権。親御さんとしては大変心配されると思いますが、10代~20代の自律神経失調症は改善もとても早いものです。

体調はみるみる回復、結果はいかに!?

漢方を始めて2週間ぐらいで、具体的にどこがどうという事は解らないけれどなんとなく良いような気がするとのこと。

1か月後にはまだ波はあるものの明らかに気持ちが楽になってきているのを実感。

2か月後には受験面接を落ち着いて終えることが出来ました。

3か月後にはもともと不順だった生理の調子が良くなっている事に気づき、身体に良い変化が起こっていることをはっきりと自覚。少し自分の身体に自信が持てるようになりました。この頃には突然襲ってくる不安感や悲しい気持ちはなくなっていました。

4か月後・・・志望校より合格の通知が届いたと、その日に嬉しいご報告をいただきました。

これから度々、人生には山や谷が現れることでしょう。しかし、今回の経験が大きな自信になって役立つのではないかと思います。彼女の未来に沢山の幸せが待っていますように。心から応援させて頂きます。

同居ストレスの主婦の自律神経失調症

子育てや家の中でのストレスから、精神科のお薬を飲み始めて1年ちょっと。
「そろそろいいかな・・・」と薬をやめようとしたら、一気に食欲不振・下痢・倦怠感・気持ちの落ち込みなどに襲われたそうです。急にやめようとしたのが良くなかった、とまた薬を再開。
それから1ヵ月後体調が落ち着いてからは徐々に薬を減らしていきましたが、2錠→1錠→半錠までは減らせても1/4錠になると減薬症状が出てしまい、また量を戻すの繰り返し。

不安、憂鬱、悲しくなる、やる気が出ない、、、こんなにやめるのが難しいなんて!毎日辛くて楽しめない、とおっしゃっていました。

心身一如

お話しする中で、このお客様は、ご同居の親御さんとの関係やご家庭内での立場から、周りが敵ばかりのように感じてしまっている、と感じました。
東洋医学では、心身一如(心と身体は繋がっている)ということをとても大切にします。
身体を元気にするためには心が元気になることが大切。
そして漢方を飲み始め、薬は順調に減ってきましたが、あと1歩。完全にやめる勇気が出ない。
「そのときが来れば体が自然に教えてくれますよ」とお話ししていました。

転機は急に訪れる

あるとき、突然「あさってから仕事を始めることにしました」と。
今までそんなお話が全然なかったのでびっくりしましたが、前月に「そろそろ働きに行こうかな」と急に気持ちが向き、仕事を探し始めたらすぐに条件の良い所が見つかり、面接に行ったらまたすぐに採用、と1週間くらいで決まってしまったそうです。
身体の声を聞き逃さず、ちゃんと良い波に乗れたんだなと思いました!

体調が悪化しないかと少し不安がありつつも仕事に行き始め1ヵ月、次の月には「お薬を全部やめられました!」と嬉しいお声が。

漢方は体質改善にとても良いものですが、本当の意味での改善はやはり自分次第、です。
漢方が背中を押してくれて、そこからは自分の力で歩き出せた、素敵なケースだと思います。
これからも、応援しています!

高齢者の自律神経失調症

70代の中肉中背の方。
凄く元気だったのに4年前に入院することに。1年後また調子が悪くなって入院。
そして、ここ1ヶ月はすっきりしない。眠りが浅いが薬でなんとか眠れている。
朝は、ボーッとしてしまう。
ご飯を食べるのも作るのもしたくない。体重も減ってきている状況でした。

目には見えないもの

「元気」や「やる気」というように、体全体のエネルギーを漢方では「気」と呼びます。まさに、この「気」が消耗しているために様々な症状が出ている状況でした。

高麗人参やナツメなど、「気」を補う生薬が入った補気剤の漢方を飲んで頂きました。

じっくり改善

約2ヶ月で、食欲がでてきたり、睡眠の質がよくなった気がするとのこと。

しかし、3ヶ月目で、血圧が高くなり、食欲もなくなり漢方も止めたくなり何もかも嫌になった。血圧さえ低くなればということで一時的に病院で薬が1種増えました。

4ヶ月目にはなんとなくすっきりした感じが戻りました。

それから、良い時と悪い時の波を繰り返していきながら、約1年後には精神的に落ち着いてきました。無理に病院の薬を減らしたら、体調不良が続いたので薬も無理に減らさず半錠にして減量していきました。

約1年6ヶ月、凄く調子が良く、気になることはすっかりなくなりました。

今まで、症状の波はありましたが、いつも「信じて頑張っています」という言葉を何度もおっしゃられていました。ご自身が良くなる、良くなりたいという気持ちがより、治すことへの元気の「気」の部分の背中を押したと思います。このお客様から、改めて気持ちや心は大切だと学ばせて頂きました。