症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/11 (月)

手足末端の冷えと漢方〜当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)〜

漢方では手足末端の冷えに大変有名な漢方があります。
またストレス性の冷えは手足末端が冷たくなるという特徴があります。
その場合は単に温める漢方ではなく、ストレスによる体の滞りを解消する漢方を飲むと途端にポカポカしてくるのを感じると思います。
ストレスに対応できるものがあるのは、漢方の強みでもあります!

冷え症で最もメジャーな漢方薬

冷え症と言えば当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は最もメジャーな漢方薬です。

この漢方薬が合う体質の特徴は
①手足の先がキンキンに冷える
②胃腸が弱く、寒いとムカムカする
③冷えると生理痛や頭痛が悪化する

といったタイプで、冷え症はもちろん生理不順や生理痛、頭痛、悪心嘔吐、などに使われます。

今はお亡くなりなった有名な登山家の方が凍傷治療に漢方を使ったというニュースを読みましたが、勝手にこの漢方薬を使ったのではないか・・・・と想像しています。
少し漢方を勉強した人ならば、すぐに四肢末端の冷えに使う漢方薬と言えば、この当帰四逆加呉茱萸生姜湯を思い浮かべます。
関係ないですが、最も名前が長い漢方薬でもあります。

中身を見ると、

当帰(とうき)・桂皮(けいひ)・芍薬(しゃくやく)・細辛(さいしん)・木通(もくつう)・呉茱萸(ごしゅゆ)・生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)・甘草(かんぞう)

の9種類からなり、やはり特徴となるのは呉茱萸ではないでしょうか。
呉茱萸は温めて胃腸症状を改善してくれる生薬です。
しかしながら!非常に苦い・まずい!ので、呉茱萸が入る漢方薬は美味しくないです。

それでも本当に体が冷えて呉茱萸を欲している人にはおいしいようで、そこが漢方の不思議でもあります。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯であまりよくならない場合

よりお腹の冷えがひどく当帰四逆加呉茱萸生姜湯さえ受け付けない方は、人参湯をおすすめします。
腹痛など痛みが酷く、神経質なタイプの方は、当帰湯をおすすめします。

冷え症にも様々なタイプがあり、やはり自分の体質に合った漢方薬を飲むことが大切です。
他の冷え症のタイプも参考にしてみてください。

しもやけ・花粉症・肩こり・生理痛が改善した例

【年齢】
30代前半の女性
【症状】
・20代前半〜の症状
毎年しもやけが出来てひどくなり、だいたい毎年春先まで出来ている
花粉症にも悩まされ、ひどいと耳が聞こえなくなった時もあった
・2年前〜の症状
肩こり
貧血(ヘモグロビン値9。正常値は14以上)
・その他の症状
生理痛も痛い時は激しく、ひどいと吐くこともある
体調が悪い時は胃のあたりがムカムカする

典型的な血虚・血寒

この方は典型的に血虚で血寒。つまりは血が足りなくて、血液自体が冷えている状態。
血液が足りてないから生理痛にもなり、肩も凝り、貧血もあると考えられます。

胃の状態や、花粉症は、一般的には水毒と言って、水分の鬱滞や水分代謝が悪くて起こると考えられます。しかし、この女性の場合は、全て血液が足りず、血営循環が悪くなり、それぞれの臓器に栄養が行き渡らずに様々な障害が出ていると考えられました。

漢方薬の服用経過

根本的な血虚と血寒を改善する漢方薬を飲んでいただきました。
いらっしゃった時はまさにしもやけシーズン突入寸前の時期。
しかし服用して1ヶ月目で、すでにシーズン真っ盛りでしたが、一向にしもやけが出来る気配がないとのことでした。
また、胃のムカムカも大丈夫とのこと。
何より、肩のコリがなくなったと喜んでいらっしゃいました。

2ヶ月目には、しもやけも、肩こりも、胃のムカムカも、むくみもなくなり、生理痛も大丈夫とのことでした。

3か月目には、肩こりぜんぜ~ん!と言えるくらいに全く忘れたとのこと。

さらに次の月には花粉シーズンに入りましたが、あれ?そういえばない!とのこと。

まさにこの治り方が漢方薬の真骨頂ですね。
病気を治すのではなく病人を治す。それが漢方ですね。

小学生(女児)のしもやけの改善例

【年齢】
小学5年生の女の子
【症状】
関節が分からなくなるくらい腫れ上がり、痛みや痒みもひどいしもやけに毎年悩まされている。
病院に行って塗り薬など出るが、その場をなんとかやり過ごすのみ。
手足の冷えが非常に強く、寒いところから暖かいところに移動すると痒みがより一層増す。
ご両親ともに子供の頃はしもやけができる体質だった。

味の問題

ただでさえ小学5年生が漢方薬を飲むのは味もきついし大変なことですが、特に味が飲みにくい当帰四逆加呉茱萸生姜湯がぴったり。
飲めるかな?・・・内心心配しましたが、
やはり本人もどうにかして良くなりたいという気持ちだったのでしょう、
最初は苦戦しながらも、何とか味にも慣れました。
本当によく頑張りました。えらいね!

服用経過

初年度:飲み始めて初めの冬は、何となく昨年よりは軽いのでは?とのこと。
翌年:赤く腫れて痒みは出ているものの痛みはそこまでない!
2年後:赤みはあるが、ずいぶん良い。
一番冷え込む2月に痛みや痒みが出た。
3年後:冷えや赤みはあるが、しもやけはなってない!
まだ冷えもあり、手の赤みなども出ているので油断はできませんが、
本人もお母様も年々、できづらくなっていることや、
できても昨年よりも遅い月になったりと、
体が変化・強くなっている事を喜ばれています。

以前と比べて、確実に変化している事を感じ取れるのは、
本当に嬉しい事ですね!
まだまだ成長期ですので、もっと変わってくるはず!強くなれる!